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シャウ・ウェイさんに学ぶ、 家庭で作る羊料理#2 「小米当帰羊排(シャオミィダングゥイヤンパイ)」


シルクロードに位置する新疆ウイグル自治区は肉といえば羊肉が挙げられ、調理法も豊富。この土地で生まれ育ち、昨年ウイグルを旅したばかりの小薇さんに、現地の食文化と調理法をうかがった。

料理研究家
小薇(シャウ・ウェイ)

18歳まで中国新疆ウイグル自治区で育ち、上海で進学・就職を経て来日。語学講座のスピンオフ企画だった中国家庭料理教室が人気を博し、料理研究家の道へ。モダンチャイニーズレストラン「Rose Shanghai Tokyo」オーナーシェフを経て、「小薇現代中国美食研究室」主宰。

小米当帰羊排 シァオミィダングゥイヤンパイ

羊肉と当帰で身体ぽかぽか 蓮の葉香る、冬のおもてなし料理

身体を温める羊肉と当帰を組み合わせた薬膳料理。羊肉のうま味を吸った粟と、ほくほくのカボチャの相性は抜群。蒸籠を開けるや立ち上る、蓮の葉の香りまでもご馳走だ。

中国の伝統技法で、食材のポテンシャルを生かし切る

中国の伝統的な調理に、肉に穀類の粉をまぶして蒸す技法がある。代表的な料理は「粉蒸肉フェンヂォンロウ」。豚肉に粗挽きの米粉をまとわせて蒸すと、米粉が肉汁を余すところなく吸い、長時間蒸してもうま味が逃げず、濃厚な風味はそのままキープ。蛋白質も炭水化物もとれて一石二鳥、野菜も入れれば一石三鳥。なんと合理的な調理法だろうか。

今回ご紹介するのは、その技法を用いた蒸し料理。「羊肉も当帰も、中国では身体を温める食材とされているので、寒い季節におすすめです。羊肉はβカロテンが含まれる根菜との相性が抜群。かぼちゃが羊肉のおいしさを引き立てます」。また「実験した結果、羊肉に酒を加えると肉が硬くなり、脂の臭みが出る」ことから、酒を使わず、蓮の葉で包んで香りよく仕上げるのも目から鱗。理想の食感は、羊肉が骨からホロッと外れるくらいの軟らかさだ。この料理は、多少蒸しすぎても心配はいらない。ふっくらとした粟がすべて、そのうまみを存分に吸ってくれるから。

材料(4人分)

羊肉(スペアリブ)…7本(400g)
粟…100g
※水に3時間浸けてふやかしておく。
なつめ…4粒
クコの実…10粒 
※水で戻しておく。
玉ねぎ…1/2個(中)
かぼちゃ…200g
蓮の葉…1枚 
※笹や竹の葉でも代用可
岩塩…適量

<調味料>
花椒粉…1g
濃口醤油…大さじ2
黒胡椒…適量
にんにく(すりおろし)…2片
しょうが(すりおろし)…適量
当帰…1g
岩塩…適量

作り方

(1) スペアリブの骨側から包丁を入れ、ひと口大にカットする。

(2) スペアリブをボウルに入れ、<調味料>を加えて手で混ぜ合わせる。

(3) 粟を加え、スペアリブにまぶす。なつめは食べやすい大きさにカットして種を取り出し、クコの実の水気を切る。玉ねぎと、皮を剥いて種を取ったかぼちゃをひと口大にカットしておく。

(4) 蒸籠の上に蓮の葉を敷き、その上に汁気が漏れないようクッキングシートを重ねる。

(5) 3の野菜を並べ、その上から岩塩をかけて、2のスペアリブを並べ、蓮の葉で包み込んで30分置いて味を馴染ませる。

(6) 鍋に湯を沸かし、蒸気が上がってから、5の蒸籠を40分~1時間ほど蒸かす。


text 佐藤貴子 photo 野呂美帆

本記事は雑誌料理王国2020年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年3月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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