2024年6月5日
イタリア・カンパーニア州発祥の郷土料理である「アクアパッツァ」が日本の食文化にすっかり溶け込んだ今、日髙良実シェフのスペシャリテは以前より一段とシンプルになり、本来の漁師料理に近づいたという。
ゲストは迫力満点の皿に驚き、期待を膨らませ、口中に広がる白身魚独特の淡泊でありながら力強い味わいに舌鼓を打つ。乾燥させたオスミックトマトの甘味が、魚のうま味をよく引き出している。
イタリア修業時代に一目惚れした南部の郷土料理「アクアパッツァ」。
それを店名にまでしてしまった理由を、かつて日髙さんはこう語っていた。「イタリアでいちばん感銘を受けた料理であり、店のコンセプトをみごとに表現した一皿だったからです」
取材してから9年。日髙さんのスペシャリテに、変化はあったのか。