しみじみとした味わいがうれしい、スペイン版ポトフ「エスクデーヤ」


レストラン サン パウ

たっぷりの肉や野菜をごろごろサイズで、シンプルに味つけ。クリスマスのご馳走の煮込み料理。

ポトフといえば、フランスの冬の煮込み料理としておなじみだが、隣国・スペインにも似た料理がある。それは「エスクデーヤ」だ。家庭だけでなくレストランでも親しまれているカタルーニャ地方の伝統料理で、仕立てを変えて「サンパウ」本店でもスペシャリテとして提供されている。


ポトフとの大きな違いは、肉やソーセージ類を複数使い、パスタを加えること。具材に決まりはないが、ブティファラと呼ばれる大きな豚のソーセージは必ず入れる。そして調味料は塩のみで、シンプルに味つけするのも特徴だ。

この日、赤木渉シェフが用意した食材は、肉類は豚スペアリブ、仔牛スネ肉、鶏モモ肉、ソーセージはもちろんブティファラ。野菜は、キャベツ、リーキ、ジャガイモ、ニンジン、カブ、タマネギ、ニンニク、そして水で戻したヒヨコ豆とショートパスタのコンキリエだ。

パスタはスペインではガレッツを使うが、入手しやすいイタリアのパスタ、コンキリエで代用する。まずは、肉を弱火でじっくりと、豚と仔牛は3時間、鶏は1時間、水量が半分になるまで炊き、下茹でした野菜などを合わせて煮る。可能なら一晩おいて翌日食卓にのせると、より具材に味がなじむ。

余分な味つけをしない分、しみじみとした滋味深い味わいがあり、どんどん食べ進んでしまう一品だ。

赤木 渉シェフ

RESTAURANT DATA
RESTAURANT SANT PAU
東京都千代田区平河町2-16-15
ザ・キタノホテル東京2F
TEL 03-3511-2881
ランチ 12:00~15:30(13:30LO)
ディナー 18:00~22:00(20:00LO)
不定休
https://www.santpau.jp

本記事は雑誌料理王国319号(2021年12月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は319号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは、現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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