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充実のビストロ 原種の豚をビストロ料理で食べ比べ。豚肉愛に溢れる“豚ビストロ”の名店。


「豚肉料理に特化したビストロ」。ありそうでなかった店がこの「La Boucherie Goûtons」。ブーシュリーとは「肉屋」、グートンは「味わう」の意。シェフが愛する豚肉料理と、それに寄り添う白ワインが潤沢に。


数種類の豚の内蔵肉を直腸に詰め、マッシュポテトと一緒に食べる「アンドゥイエット」(3,000円)。そのまま味わえば野趣溢れる味わいを、マスタードの酸味を重ねても美味。

丸の内の「ブラッスリーオザミ」でキャリアをスタートさせ、フランスに渡り2年間修業した郷卓也シェフ。2015年5月、自らの城として人形町に開いたのが豚肉押しのビストロだ。
豚肉料理に特化したのは、豚の品種交配に関する世界的権威ともいわれる富士農場サービス代表の桑原康氏との出会いがあったから。「原種の豚の美味しさを伝えることに喜びを感じる」と言う郷シェフ。
日本では珍しい満洲豚やハンガリーの国宝マンガリッツァ、交配種豚のLYB豚やLYM豚などを毎週半頭分仕入れ、常時3~4種の原種豚を揃えているという。「種が異なると全く味わいが異なるという点が原種豚の面白さ」。好みの原種豚が入荷したと知れば、それを目指して訪れるお客も少なくないそうで、店そのものが“食べる原種豚図鑑”。

ワインはフランス産が中心で、自然派ワインも多数。ボルドーの白は前菜で供される「グルニエ メドケン」などのシャルキュトリに、ラングドックの赤は「アンドゥイエット」に。
六本木「ブーケ ド フランス」時代にレシピ
を知り、そのおいしさに感動したという「ア
ンドゥイエット」。腸詰めするモツは粗めに
刻み、食感も楽しめるようにしている。

料理は豚肉を使ったフランスの郷土料理や地方料理が中心。ゆえに、始まりから終わりまで白ワインで通したいというニーズにも真正面から応えられるという意味でも稀有な店だ。冬の時期は、知合いの腕利きのハンターが捕らえたイノシシをローストにしたジビエ料理なども楽しめる。…そういえば、分類学的には豚とイノシシは同じ種だ。郷シェフの豚への愛が、止まらない。

「カスレ」(3,500円)は主役の白インゲン豆も豚の出汁で炊く。自家製のソーセージ、豚足や豚耳などをともに煮込む。鴨の代わりに豚スネ肉のコンフィが入るのもこの店ならでは。

La Boucherie Goûtons
(ラ・ブーシュリー・グートン)

東京都中央区日本橋富沢町10-15 勢州屋本店ビル1階
TEL 03-6661-1156
12:00 ~ 13:30、18:00 ~ 22:00
日祝休(月火ランチ休)


text 中森りほ photo 松園多聞

本記事は雑誌料理王国2020年2月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年2月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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