2024年10月18日
菜(主菜)と湯(スープ)以外の全ての料理をさすともいわれる「点心」。粉使いから仕上げまで技の宝庫だ。小麦粉を使い地方ごとにパスタを作るイタリア料理との共通項は? イタリア料理のシェフが、点心を得意とする料理人の厨房で学んだ技は?第一弾は「点心の発酵の技」についての興味深い対談です。
イタリア料理のトップシェフ村山太一さんが、点心の教えを乞うべく、「なかの中華!Sai」の宮田俊介さんのもとを訪ねた。ジャンルの違うふたりの料理人が、これまでのキャリアを持ち寄って、熱く語り合った。
村山 中国の麺の文化とイタリアのパスタの文化って、歴史的になにかつながっているはずですよね。
宮田 今のところもっとも古い麺類の遺物は、中国で見つかっているらしいです。最古のものは小麦の麺じゃなかったみたいですが、「麺」は小麦っていう意味の漢字なんです。
村山 パスタも小麦粉を使ったもの全般を指します。餃子とラビオリも、共通点がありますよね。イタリアの料理は原点が中国にあるものが多いんじゃないかと思います。
宮田 交流はあったでしょうね。
村山 僕、自分のパスタにコシが欲しくて、かん水を使ってみようかと思ったこともある。結局、かん水が手に入らずに断念しましたけど。イタリアにはかん水ってものは無くて、でも中華麺のようなコシが欲しいとなった時に考えついたのが圧力なんじゃないかと。パスタマシンで圧を加えることでコシを出そうとしたのかなと思います。