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レストランのシェフが丁寧に作るウインナーやテリーヌが人を呼ぶ「リンデンバーム」


オンリーワンの店づくり

吉田英明さんがシャルキュトリーに魅せられたのは90年代初頭。日本ではまだ〝シャルキュトリー〟という言葉すら知られていない時代に、本場ヨーロッパに渡って作り方を学んだ。いつか専門店をやりたいと思いながら、レストラン「リンデンバーム」を12年間経営し、「レストランでやりたいことはひととおりやった」と感じたのは09年だった。

ショーケースには、60種以上の商品がズラリと並ぶ。「いろいろやってるうちに増えてしまいました」と、吉田さん。中には京番茶や水尾産の柚子といった京都産の食材を使ったものもあり、ハイレベルな京都みやげとしても人気を呼んでいる。

「ヨーロッパで地元の素材を使うなら、京都でも使うのは当然。別に奇をてらうわけではなく、自然なこと」。本場を体験し、長年レストランを経営してきたがゆえの言葉だ。

店頭に並ぶ自家製のお惣菜や焼菓子は、レストラン時代から好評のものが多い。シャルキュトリーに合うパンや、一緒に煮るとおいしい豆なども販売し、食卓作りを提案する。

「楽しくなってつい買いすぎてしまう」と、微笑むお客で大賑わいだ。

4種入りのウインナーバラエティ380円/100g、パンチェッタ420円/100gは定番人気。その他季節商品や、パテアンクルート750円/100g、スモークニシンと香味野菜のマリネ600円、フォアグラのテリーヌ1200円/50gなどの料理も豊富に並ぶ。

シャルキュトリーのネックは初期投資がかさむこと

シャルキュトリーをやる上でのネックは、初期投資の高さだろう。しかし吉田さんはシャルキュトリー業界との人脈ができてから開店したため、専用機器を安く購入することができた。厨房機器もレストラン時代のものを移行することでコストを抑え、中心部に近く、車で来店しやすい立地を探して、念願の専門店をオープンした。

開店当初こそ不安もあった経営だが、次第に本物を知る客層を獲得。口コミで評判が広がり、開店2年ほどで関西を代表する有名店のひとつとなった。2014年には国内のコンクールで金賞を受賞し、今や人気は全国的なものとなりつつある。

パンはドイツ製の冷凍生地を店で焼成。「シャルキュトリーに合うし、翌日も味が落ちません」と吉田さん。

キッシュや焼菓子が並ぶ

売れ筋のキッシュは日によってサツマイモなど具が替わる。サラダや惣菜が入ったキッシュランチボックスは750円。

近所の人や観光客でいつも賑わう。休日には遠方からのお客さまも多く、購入品をその場で発送する姿も珍しくない。

開業データ

開業日 : 2009年10月7日
開業資金 : 1750万円
自己資金 : 300万円
借入金 : 1450万円
スタッフ数 : 4名
客単価 : 1500円
坪数 : 20坪(厨房13、販売スペース7)
目標月商 : 400万円

こだわりPoint

1.シャルキュトリー専門店

ウインナー、ベーコン、テリーヌなどの食肉加工品が常時60種前後も揃う。豚だけでなく鹿、鴨を使ったものや、京都産のゆず、茶といった地元素材のオリジナル商品も多数。

2.レストラン料理のトレトゥール

レストラン時代のままのお惣菜を250円~とリーズナブルに販売している。シュークルートなど煮込み料理もあり、パン、調味料などとのテーブルコーディネートが可能。

Hideaki Yoshida

1962年京都市生まれ。ホテルのレストラン勤務を経た後、ドイツ、フランスなどでシャルキュトリーを学ぶ。1997~2009年レストラン「リンデンバーム」を経営。2009年にシャルキュトリー専門店開店。

リンデンバーム
LINDENBAUM

京都市左京区丸太町通川端東入ル
東丸太町41-6
☎075-751-0786
● 11:00~19:00
● 無休
●ウ インナー360円/100g~、テリーヌ350
円/100g~、お惣菜250円~
http://www.linden-baum.jp/

藤田アキ=取材・文 畑中勝如=撮影

本記事は雑誌料理王国247号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は247号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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