「イル・プレージョ」あさりのうまみをたっぷり吸わせた『あさりと発酵青唐辛子のキタッラ』


「キタッラ」とは、イタリア語でギターという意味。木枠にギターのような細い弦を張って伸ばした生地をカットしていたことから、出来上がったパスタを「キタッラ」と呼ぶようになったという。中部アドリア海沿岸のアブルッツォ州発祥の麺で、断面が四角形なのが特徴。やや太めで歯応えもある。東京・代々木上原にあるレストラン「イル・プレージョ」の岩坪滋シェフは、そのキタッラをあさりのブロードに合わせた。砂抜きしたあさりを水だけで3時間かけて抽出して作ったスープは、そのまま飲んでも充分に美味しい。そのあさりの出汁に合わせるのは、発酵させた青唐辛子だ。乳酸発酵した唐辛子には、マイルドな辛みに加えてうまみがある。


にんにく、発酵青唐辛子、そして加賀野菜の金時草を炒め合わせたところにあさりのブロードを加え、かために茹でたパスタと絡めて煮込みながら麺に味を吸わせる。味を見て水またはブロードで水分を調整し、パスタにちょうど良い加減で火が通ったら、ローストした秋田の鬼くるみを入れてオリーブオイルを回しかけ、乳化させながら全体に馴染ませる。

器に盛り、仕上げに素揚げした金時草をのせて香りと食感のアクセントに。アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノを岩坪流にアレンジした、オリジナリティあふれるパスタの完成。

あさりのうまみをたっぷり吸わせた「あさりと発酵青唐辛子のキタッラ」

じっくりと時間をかけて抽出したあさりのブロード(出汁)は、それだけでも美味。そこに発酵青唐辛子を合わせ、キタッラでペペロンチーノ風に仕上げた一皿。

岩坪滋さん

イル・プレージョ
東京都渋谷区上原1-17-7フレニティハウス2F
TEL 03-6407-1271
ランチ 12:00~15:00(L.O.13:00) ディナー 18:00~23:00(L.O.20:00)
定休日:水曜・第1木曜
http://ilpregio.jp/

本記事は雑誌料理王国317号(2021年8月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は317号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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