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今も継承される!昔ながらの日本の抗菌の知恵


調理の下処理から、料理にあしらったり、くるんだり、日本人が昔から続けてきたことの中には、さまざまな抗菌の知恵が秘められている。近年の健康ブームで「天然素材で食べ物を安全に保ちたい」と考える人も少なくない。植物などの抗菌力を活用した料理法を見直し、掘り起こしてみることで、現代でも使える抗菌のヒントを得ることができるかもしれない。

柿の葉寿司

柿の葉のタンニンに塩と酢を合わせて抗菌アップ

奈良県や和歌山県、石川県などの郷土料理で、江戸時代を起源とする柿の葉寿司には、幾重にも抗菌の知恵が生かされている。たとえば柿の葉にはポリフェノールの1種であるタンニンが多く含まれ、これが抗菌力を発揮。ごはんも抗菌力のある酢で締め、魚も塩漬けに。この料理が誕生した当初、塩のみでごはんや魚の処理を行っていたが、醸造酢の登場とともに現在のスタイルになったといわれる。

ハラン

抗菌力だけでなく日本料理の飾りにも

ハランはユリ科の植物で、常緑で葉が大きいのが特徴。芳香があり、抗菌効果が認められるとして古くから日本料理の飾りや仕切りとして用いられてきた。最近では「バラン」とも呼ばれ、表面にワサビ、ショウガ、カラシなど、天然由来の物質を加工した商品も販売されている。

魚の酢締め

酢と塩に砂糖をプラスすると生臭みも抜ける

酢で締めた魚料理としてまず挙げられるのが締め鯖。抗菌には塩や酢を使うのが一般的だが、最初に砂糖で締めてから塩や酢を使うと抗菌になるだけでなく、生臭みも抜ける。寄生虫「アニサキス」対策としては、酢で締めた後にマイナス20℃で2日ほど冷凍する。

笹団子

飾り付けから防腐まで笹の葉の利用範囲は広い

餡の入ったヨモギ団子を笹の葉でくるんだ新潟県の代表的な和菓子の笹団子のほか、富山名産の笹の葉寿司にも使われてきた笹の葉。実際、笹の葉にはビタミンKや安息香酸、クロロフィルなどが含まれており、これらの物質に抗菌、防腐作用があるとして、食品の保存はもちろん、料理の飾り付けや彩りにも使われている。


本記事は雑誌料理王国第285号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第285号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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