2023年6月28日
「鶏の蒸し焼き粒マスタードソース」は、初代シェフの大宮勝雄さんが、ごはんに合うフランス料理として開店と同時に提供を始めた特別な料理だ。
今は2代目シェフの延藤光昭さんが受け継いで腕を振るう。愛されるスペシャリテの条件とは何か。この料理を作り続けることにその答えがあると確信しつつ――。
ゆっくり火を入れることで白くつややかに仕上げた鶏むね肉。「フランスではウサギの肉を使いますが、火入れを工夫すると鶏むね肉がウサギに近い味わいになります」と大宮シェフ。2週間かけて仕込んだデミグラソース、赤ワイン、粒マスタード、生クリームなどを合わせたコク深いソースがやわらかな鶏肉によく馴染む。
東京・浅草に店を開いてから間もなく40周年を迎える「レストラン大宮」の本店は今やこの地に欠かせない洋食の名店であり、国内外から人を呼ぶ観光スポットといっても過言ではない。ハンバーグステーキ、ビーフシチュー、ハヤシライスなど、いずれも垂涎の人気メニューだが、なかでも不動の人気を維持する看板メニュー、それが「鶏の蒸し焼き粒マスタードソース」だ。