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Bistrot KINZO|パターンにはまらず自由に、自分の味を表現したい。


フランスで活躍する日本人シェフを紹介する連載企画。第八回目は、カナダと日本にルーツを持ち、パリで和食材を取り入れたレストランを営む「Bistrot Kinzo」エドワード・ウチヤマさんをご紹介します。

カナダのモントリオールで生まれ育ったウチヤマさん。フランスで修行し高級フランス料理店を営んでいた父親を幼い頃から手伝っていたため、料理は常に身近なものだったという。「店の二階が家だったので、毎晩の皿洗いなどは日課。残った肉やソースをつまみ食いするのが楽しみで、クリームやバターの美味しさに夢中でした」。

カナダで経営学の勉強を終え、日本で通訳やサービスの仕事を経験。その後、レストランのキッチンで働いていたところ、職場の先輩からフランスへ行き本場の味を体験することを勧められた。ただ食べ歩きをして帰るつもりが、パリ滞在2日目に訪れたドーム・デュ・マレのシェフにスカウトされ定住することに。

サーモンの味噌漬け、ベトラーヴのトリコロール。
アーティチョークのバリグール風 帆立貝のロティ

「店では伝統的なフランス料理を初めて基礎から学びました。食材も何もかもカナダで食べていた料理とは違いましたし、ランジスの広さにも驚いて、フランスのガストロノミーの世界は本当にすごいと思いました」。その後、ジョルジュ・サンク、ラ・ターブル・ド・ジョエル・ロブションを経て、インター・コンチネンタルのエグゼクティブ・シェフを7年間勤め、今年9月に自身の店ビストロ・キンゾーをオープンした。

パンナコッタ・ココ リンゴのグラニテ カルピスのエスプーマ
スズキのポトフ風

店名のキンゾーは京都で和食店をしていた祖父の名前。ビストロと銘打ったのは、美味しいものをカジュアルにたっぷり食べてほしいとの思いからだ。料理はフレンチだが、大葉や山椒の葉、ゆかりや出汁など和の食材も頻繁に使う。「和食材を料理に取り入れることはロブションで学びました。

鴨とカリンのローストとビーツ、ジロール茸のフリカッセ。
抹茶のティラミス

日本は自分のルーツだし、フレンチに新しい味わいを加えられるのは魅力的」。今後はもう一つのルーツであるカナダの食材も取り入れていく。「型にはまらず、自分が美味しいと思うものを自由に表現していきたい。お客様が楽しく美味しい時間をすごせる店になればうれしい」。(恵)

Bistrot KINZO
Adresse : 13 rue Rougemont, 75009 Paris , France
TEL : 01. 4824. 5749
アクセス : M° Grands Boulevards
URL : https://www.bistrotkinzo.fr/
土曜のお昼、日曜・月曜休。12h00-14h30/19h-22h30

取材・文=吉田 恵理子ワイン&フードライター。コピーライター。
1975年生まれ、フランス・パリ在住。お茶の水女子大学博士前期課程修了、人文学修士(西洋哲学)。都内の広告制作会社を経て、コピーライター、ライターとして独立。フランス国立ランス大学HEG(美食に関する最先端研究機関)に留学。英国ワイン&スピリッツ教育財団(WSET)アドヴァンスト資格所持、英国酒ソムリエ・アソシエーション(SSA)認定酒ソムリエ。著書に『ランチタイムが楽しみなフランス人たち』(産業編集センター)、『ワインを飲めばすべてうまくいく 仕事から恋愛まで起こる10のいいこと』(インプレスICE新書)がある。ワイン専門誌、パリの日本語新聞「オヴニー」に寄稿。Twitter:@erikomri_wine


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