食の未来が見えるウェブマガジン「料理王国」

Restaurant Kigawa|記憶に残る、クラシックなフランス料理にこだわる。


フランスで活躍する日本人シェフを紹介する連載企画。第七回目は、フランスで食べた一皿に魅せられ、パリで「Restaurant Kigawa」を営むシェフ紀川倫広さんと、パティシエールである夫人の順子さんをご紹介します。

14区の住宅街にたたずむ、明るく上品な雰囲気のレストランKIGAWA。シェフ紀川さんのこだわりは、「クラシックなフランス料理」だ。大阪のホテルなどで働いた後、25歳で渡仏。南仏やリヨンなどの有名レストランで修行を重ねた。そんな中、食事に行ったパリのミシェル・ロスタンで「野ウサギのロワイヤル」に出逢い、「こんなに美味しいものが世の中にあるのか!?」と感動。「良いフランスの食材を使い、仕込みに時間をかけるジビエ料理を作りたい」と心に決め、さらにキャリアを積むべく一旦日本に戻った。大阪の有名店で働くが、手間暇かけた「野ウサギのロワイヤル」はあまり注文が入らず、まかないで食べてしまう日もあったという。やはり伝統と理解のある場所で料理をするべきだと確信し、再びフランスの地を踏んだ。

子牛の胸腺とジロール茸のソテー

リヨン駅そばにあったフレンチ・フュージョンの店で6年ほど働いたところで、その店を買い取らないかという提案を持ちかけられた。店の常連など支援者から資金を集めて準備していたところ、その契約が詐欺だと判明。しかし、支援者たちの協力もあり、無事に2011年3月にパティシエールである夫人の順子さんと現在の場所に店をオープン。

夫人はデザートのメニュー開発に加え、マダムとして接客も担当している。「ここは下町で、ゆっくりした雰囲気が何よりも魅力。近くのレストランの人たちが食べに来てくれたり、自分の店のお客さんに紹介してくれたりするんです」。

この夏、ダイニングエリアを白をベースにしたエレガントな空間に改装した。日常を離れ、優雅な気分で美味しいワインと料理を楽しんで欲しい、という思いからだ。「クラシックで量もたっぷりある、記憶に残る料理を作り続けたい。今後は、今の料理をベースに、さらに洗練させて味の完成度を高めていくつもりです」。(恵)

Restaurant Kigawa

Adresse : 186 rue du Château, 75014 Paris , France
TEL : 01. 4335. 3161/06. 4374. 2573
アクセス : M°Denfert-Rochereau/Pernety
URL : kigawa.fr
日月休 12h30-14h/19h30-22h 昼のムニュ(火-土): 35€、ムニュ・デギュスタシオン:65€〜

取材・文=吉田 恵理子ワイン&フードライター。コピーライター。
1975年生まれ、フランス・パリ在住。お茶の水女子大学博士前期課程修了、人文学修士(西洋哲学)。都内の広告制作会社を経て、コピーライター、ライターとして独立。フランス国立ランス大学HEG(美食に関する最先端研究機関)に留学。英国ワイン&スピリッツ教育財団(WSET)アドヴァンスト資格所持、英国酒ソムリエ・アソシエーション(SSA)認定酒ソムリエ。著書に『ランチタイムが楽しみなフランス人たち』(産業編集センター)、『ワインを飲めばすべてうまくいく 仕事から恋愛まで起こる10のいいこと』(インプレスICE新書)がある。ワイン専門誌、パリの日本語新聞「オヴニー」に寄稿。Twitter:@erikomri_wine


本記事はOvni navi 2019年の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2019年当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

【記事提供】

フランスをもっと楽しむ
le media franco-japonais
https://ovninavi.com/


SNSでフォローする