食の未来が見えるウェブマガジン「料理王国」

Will /クラシックなフランス料理を、 しなやかな解釈と表現で。


フランスで活躍する日本人シェフを紹介する連載企画。第六回目は、夫婦二人三脚でレストランを経営する「Will大草真さんと大草綾子さんをご紹介します。

「10歳のときには、料理人になると心に決めていました」。平日忙しく働く母親のために、休日くらいは楽をしてほしい、と朝食を作り始めたのが料理に目覚めたきっかけ。大学生の頃、山梨県甲府市の老舗フランス料理店でアルバイトを始め、そのまま料理人として就職した。4年間働き一通りの仕事を覚えたところで、フランスとイタリアへ旅に出た。本場の食を体験したい、と短期のつもりで出発したが、パリで立ち寄ったステラマリスに知人がいた縁で、そのまま働くことになった。

パリのラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション、アルザスのル・シャンバール(オリヴィエ・ナスティ)を経て、パリに戻りビストロ・ヴォルネイのシェフに。国籍も考え方も違う料理人たちを束ねる難しさを感じながらも、チームを引っ張っていく術を学んだ。退店してからは自分の店を持つことを念頭に置きながら、新店舗の立ち上げに参加。またラロームに入店し、料理について更に研鑽を積んだ。

大草夫妻のお店。

そして、2018年3月にパティシエールである夫人の綾子さんと念願のレストランWillをオープン。綾子さんもホテル・ジョルジュ・サンク内のル・ジョルジュでシェフを務めるなど、豊富な経験の持ち主だ。

「目指すのは、毎週来てもらえるような店。高級店のように華美ではないですが、素材一つひとつに向き合い、技術、組み合わせの妙などを突き詰めた料理をお出ししています。これまで学んできたフランス料理を良く理解し、流行を追いすぎず、あくまで基本に忠実に。軽さやメリハリを加えるなどして、自分たちの方法でフランスの食を表現をしています」。

オープンして1年が経った。常連客は、ほぼフランス人だ。「日本人の繊細さがフランス料理に溶け込んでいる」というコメントが一番うれしかったという。(恵)

タラのロースト、玉ねぎのポワレ、ほうれんそうのソテー、デュグレレソース。Dos de cabillaud rôti sans peau, oignons frais poêlés, tombé d’épinard, sauce dugléré
子羊の背肉のグリル、白アスパラのポワレ、アーティチョーク・ポワヴラード バリグール風。Carré d’agneau grillé, asperge blanche poêlées, artichauts poivrade à la barigoule
ブルーベリーのミルフィーユ、レモンのクリーム バーベナの香り、ヨーグルトのアイスクリーム。Millefeuille aux myrtilles, crème au citron et verveine, glace yaourt.

Will

Adresse : 75 rue Crozatier, 75012 Paris
TEL : 01. 5317. 0244
アクセス : M° Ledru-Rollin
月火休 12h-14h / 19h30-22h

取材・文=吉田 恵理子ワイン&フードライター。コピーライター。
1975年生まれ、フランス・パリ在住。お茶の水女子大学博士前期課程修了、人文学修士(西洋哲学)。都内の広告制作会社を経て、コピーライター、ライターとして独立。フランス国立ランス大学HEG(美食に関する最先端研究機関)に留学。英国ワイン&スピリッツ教育財団(WSET)アドヴァンスト資格所持、英国酒ソムリエ・アソシエーション(SSA)認定酒ソムリエ。著書に『ランチタイムが楽しみなフランス人たち』(産業編集センター)、『ワインを飲めばすべてうまくいく 仕事から恋愛まで起こる10のいいこと』(インプレスICE新書)がある。ワイン専門誌、パリの日本語新聞「オヴニー」に寄稿。Twitter:@erikomri_wine


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