大坪さんがナポリでよく食べ最も好きなピッツア。イタリアサレントの小工房から取り寄せたモッツァレッラチーズの燻製の香りが印象的。
>>ページ下部にレシピがあります。
製薬店の倉庫として使われていた築50年の建物。木の扉に高い天井が印象的なの店内には、古きよき物だけが放てる“気”が満ちている。「物件との出合いが一番の出 店の決め手だった」と、オーナーシェフの大坪善久さんは振り返る。
西側の経験を持つが、物件探しの際、東側しか頭になかった。
「一番に人がいい。古い街だけに長く暮らす人が多く、いい物が大事にされている。そして、いい物をいいと自分の意思で言える人が多い」
店があるのは人形町と神田の間。あたりには飲食店はほとんどなく、一見、レストランには不向きとも思える土地だった。しかし「裏を返せば人の流れがあり、かつ、競争相手がいないということ」と、即決。結果、昼夜ともに満席が続く人気店となったのは、大坪さんの読みが正しかったことの証明だ。
スタッフは全員男性。全員がピッツァ職人であり同時にサービスも担当するので無駄がない。メニューは500円〜の前菜と薪窯のピッツァなど。「使い方を押し付けたくなかった」と言うように、ワインと前菜で軽く飲むのもよいし、食事もしっかりできる、自由度の高いメニューだ。
街の祭りや寄合に参加し、地域に溶け込む努力を続けた年間。早くも地元客の心をつかんでいる。
材料(ピッツァ生地12玉分、具材1枚分)
燻製水牛モッツァレッラチーズ…80g/ミニトマト…5個/バジル、グラナパダーノチーズ、ナポリサラミ、オリーブオイル、トマトソース…各適量
ピッツァ生地
強力粉…1650 ~1700g/塩…40 ~50g/水…1ℓ/生イースト…1g
大坪善久さん
1972年福島県生まれ。27歳の時に渡伊。ピッツエリアを中心に3年間修業。帰国後、「サルバトーレ」「イゾラ」「ダ・オルトー」などを経て独立、「イル タンブレッロ」開店。
小久保敦郎=文 北村美和子=写真
本記事は雑誌料理王国2012年8月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は 2012年8月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。