料理王国厳選!また行きたくなる情熱のピッツェリア【関西編】


【京都市・丹波口】ピッツァメルカート京都

ナポリで習得した技術と心で伝統のピッツァを広める

 ナポリピッツァ職人の日本大会で1位、アジア大会で2位に輝いた東郷智宏さん。審査員すべてがナポリピッツァイオーロの重鎮ばかりという中での快挙だった。「見た目も含めて、審査員が普段、口にしている味と変わらないと評価してくれたのが嬉しい」と微笑む。好成績をおさめた東郷さんの原点は、修業したナポリの名店だ。40年以上の熟練職人から技術や食文化を教わった。計量するのは水と海塩のみ。天候によって粉の状態は変わるので、小麦粉とビール酵母は視覚や感触で判断する。敢えて冷蔵庫を使わず発酵させ、木製の番重で保管する。「技術は必要だが、1枚1枚ゲストのことを考えて作る“心〞が一番大事」という師匠からの教えを忠実に守り、伝統の味を広める。

ネギナーラ
マリナーラに九条ネギをのせ、黒七味をアクセントに仕上げる。ネギの甘みとスパイスが粉の香りを引き立てる。中央市場に隣接する立地を活かし、野菜メインの前菜も供する。

ピッツァメルカート京都
京都市下京区朱雀正会町1-1 KYOCA会館1F
075-353-4777

飯塚真里=取材、文 畑中勝如=撮影


【京都市・四条】ピッツェリア マリータ

人生を変えたナポリピッツァ 食文化も含めてその魅力を伝えたい

 転職してピッツァイオーロになった萩原崇さんは「ナポリピッツァが人生を変えました」という。開店以来、生地や味、トッピングも含めて修業先を見本にナポリ式を貫く。最も重視しているのは生地作り。ミキサーに水と海塩、ビール酵母を入れ溶かし、粉の9割を加える。残り1割を足しながら固さを調節していく。日によって、微妙に異なる生地の状態を見極めるのが何より大切。それは手の感触に頼るしかないという。「ピッツァもラーメンと同じ。アツアツを“飲み込む〞ように食してこそ、おいしさが実感できるのです」

 何百年と受け継がれてきた伝統の味を、食文化も含めて正確に広めていきたい。ピッツァイオーロの気概が一枚のピッツァからも伝わる。

D.O.C
トマトソースを薄くぬり、カットしたフレッシュミニトマトと水牛のモッツァレラチーズたっぷりちらす。女性でも完食できるようにナポリサイズより小ぶりに。

ピッツェリア マリータ
京都市中京区堺町通錦小路上ル512
075-231-8220

飯塚真里=取材、文 畑中勝如=撮影

本記事は雑誌料理王国第246号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第246号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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