フランス料理と日本料理の巨匠が「SAKE HUNDRED」×珠玉の一皿に込めた、日本酒のあるべき姿とこれから(前編)


日本が世界に誇るラグジュアリーな日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」。そのシリーズのフラッグシップ「百光(びゃっこう)」、そして「百光 別誂(びゃっこうべつあつらえ)」を、同じく日本が世界に誇る2人の料理人、渡辺雄一郎氏と山本征治氏が味わい、自由な発想、解釈でそれぞれ珠玉の一皿を提案した。そこには風味のペアリングというだけではなく、日本酒と料理の関係のこれからを示唆するアイデアや、根底に流れる精神性を改めて考える深み、そしてプレステージュなレストランでの楽しみ方までがあった。まずはその一皿に込めた思いを語り合っていただこう。

ナベノ‐イズム 渡辺 雄一郎氏
1967年、千葉県生まれ。大阪あべの辻調理師専門学校を卒業後、同フランス校に進学。リヨン「ラ・テラス」、東京「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ」を経て恵比寿のシャトーレストラン「タイユヴァン・ロブション」へ。2004年からはエグゼクティブ・シェフとして活躍。2016年「ナベノ-イズム」を開業し、現在に至る。「ナベノ-イズム 渡辺雄一郎のフランス料理」の書籍も発刊している。

日本料理 龍吟 山本 征治氏
1970年、香川県生まれ。四国調理師専門学校(現キッス調理技術専門学校)を卒業後、四国の料亭やホテルで15年間の修行を経て、2003年六本木に「日本料理 龍吟」をオーナーシェフとして開業。2012年香港に「天空 龍吟」、2014年には台湾に「祥雲 龍吟」をそれぞれプロデュース。2018年東京ミッドタウン日比谷に「日本料理 龍吟」を移転し、現在に至る。「日本料理 龍吟」の書籍も発刊している。

もがいてきた同士だからこそ分かち合いたい酒

渡辺:今回の「SAKE HUNDRED」の2アイテムとのペアリングは大変勉強になりました。

山本:そうですね。まず酒がうまい。そしてきれい。こういうお酒と料理を合わせる機会はそうはありません。

渡辺:そうそう。とてもきれいなお酒なので、最初、やりようがないって思っちゃった(笑)。そんなに日本酒をたくさん呑み込んでいるわけではないのだけれど、これは別格の雰囲気があった。だから征治さんと一緒にやりたかった。センスやこだわりを持ち続けてやってきた人だから、このお酒でどんなアクションが来るのかなって。

山本:ナベさんからお話しいただいてうれしかったですよ。

渡辺:ご縁ですよ。お酒の磨かれ方、透明感、シャープさ、全部総合すると…誰がふさわしいかと考えたら征治さんしかいないなって。

山本:ナベさんとの出会いは2000年。

渡辺:もう21年ですか。私たちの2人の師匠(渡辺さんはジョエル・ロブション氏、山本さんは「青柳」の小山裕久氏)のコラボレーションで僕がシェフを務めていた「カフェフランセ」が板場になって、初めて征治さんと遭遇した。ただ者ではない雰囲気、技術、理論。そこから付き合いが始まった。

山本:なかなかあの「お城」(「シャトーレストラン タイユバン・ロブション」※当時)に足を踏み入れる勇気とお金がなかった(笑)。それが潜入することができて、楽しい3日間でした。六本木の龍吟のオープンの際も来ていただいて。いい酒を通すといろいろ思い出しますね。今、飲みたいな(笑)。

渡辺:お互い伝説の人の下で働いて、難しさや、もどかしさだったりも経験。だからこそプライドを持ってやっていましたね。かくあるべしということを学べた。いい経験をさせて頂きました。

山本:ナベさんはフランス料理、私は日本料理。今でこそジャンルはあまり問われなくなりましたが、当時、業界として交流はほとんどなかったように思います。特に日本料理側からは交わりがなかった。日本料理をやっていてフランス料理のことで聞きたいことって山ほどあったのですが…。私たちが日本料理とフランス料理という枠を気にせずつきあいをするようになった最初のころだったかもしれません。自分の料理感がぐっと広がりました。

渡辺:時代は変わりましたね。日本料理でワイン、フランス料理で日本酒というのも自然になった。

山本:「和食でワイン」はあのころから少しずつ広がっていました。ソムリエがいる店もありました。私もスクールに通って勉強しました。ワインブーム真っただ中。自分が将来独立したとき、ワインのことをまったく知らなければソムリエさんに「山本さんはワインがわからないでしょ」って言われてただただ従うしかない。そんな時代が来るかもしれないと感じていました。フレンチで日本酒はまだなかったですかね。

渡辺:あまりなかったですね。私の日本酒との接点は料理から。魚料理のソースのベースに純米酒を忍ばせる。あるいはあわびの肝のソースを作るときも、白ワインではなく純米酒でデグラッセ。日本酒って口の中に入った時に、変な方向に行かない。化学的にも。白ワインももちろん種類はあって、いろいろ変えましたが、アンチョビ系のようなものだと日本酒に勝てるものはなかったですね」

山本:ロブションさんも受け入れていたんですか?

渡辺:ロブションさんが「なんで使うんだ?」って聞くんです。僕の答えはいつもこう。「Parce que je suis japonais」。なぜなら私日本人ですから。これが僕のキーワード。それを連呼していたらロブションさんも日本酒に興味を持ち始めてくれた。鶏肉のマリネでは漬け込むときに白ワインやコニャックを打つのですが日本酒を混ぜたりしていました。フランス料理でも日本酒を、というのは僕の中ではトレンドに合わせてというのではなく自然体。

山本:そばがきをフランス料理にされていますけど、それも自然体ですかね。

渡辺:征治さんは日本料理でソムリエ。僕はフランス料理で「ソバリエ」という役に立つのかわからないものを持っていて(笑)。そばがきを使った料理があるんですが、シャンパーニュも良いのですが、すんなりあうのは純米酒。これも自然体かな。

変わり、広がる日本酒の楽しみ方、捉え方

山本:ワインとの違いで言うと、温度帯によっての楽しみ方を細かくだすことがきできる。表情が変わるんです。もちろんワインもそうなのですがその範囲が比較にならない。これを龍吟でもお客様に伝えていくことが急加速で行われるようになった。また日本酒という言葉だけではなく、純米酒、吟醸酒、磨き具合。昔はワインの蘊蓄がいっぱいあって、今は日本酒でいろいろな話ができるようになった。こうした日本酒を楽しまれるレストランの環境が広がったと思います。

渡辺:お客様からの意識や要望も変わってきていますか?

山本:昔だったら「ビールにする?酒にする?」。「冷たいのにする?あったかいのにする?」そんな感じでしたが、今は、冷酒だとして、それからどうする? という一歩踏み込んだ酒の世界になっていることは確かです。海外のお客さんもよくご存じで、「お酒飲んで感動したい」と思われて来られます。

渡辺:その際に、料理人としてはどの線を超えるのか? 実は日本酒って万能で、あらゆる料理にあう。僕はそういう感覚をもっている。逆に1本のワインは全てには合わせられない。ただ、それもまたいいと思っています。ジャンルそれぞれの良さがあって踏み込みすぎないように。僕にとってはフランス料理屋であることが第一。その中であわせたい日本酒も出てくる。

山本:日本人が日本料理をやるのと、フランス人がフランス料理をやるのとはおそらく同じことなんですよね。感覚としてはおんなじ。そしてナベさんのような日本人がやるフランス料理も面白い。違う世界から見るとむちゃくちゃ面白い。自由な発想で生まれてくることってありますから。

渡辺:僕は日本酒のポテンシャルを150%信じているので、逆にフランス料理で寄り添っていければいいなと思っています。だから無理やり合わそうとするんじゃなくて、引き合うような料理が作れたらいいなって思います。

次回、二人の巨匠によるSAKE HUNDRED「百光」、「百光 別誂」の究極のレシピをご紹介します。

二人の巨匠の感性を刺激した
「SAKE HUNDRED」とは?

「厳格な製造管理のもと、最高品質の日本酒のみを提供する」「味覚の満足だけでなく、心の豊かさに貢献する」「日本酒産業の発展に貢献し、時代を前進させる」。

この3つを約束する最高峰の日本酒で、世界中の人々の「心を満たし、人生を彩る」ことを存在意義として掲げる「SAKE HUNDRED」。今回お二人にペアリングいただいた「百光」「百光 別誂」のほか、長期熟成、樽貯蔵、デザート酒など、さまざまな魅力の最高峰を表現したアイテムをリリースしている。
▽詳細はこちら
https://sake100.com/item/byakko/latest


取材・文=岩瀬大二  写真=よねくらりょう


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