秋田県のブランド米「サキホコレ」の新米試食提案会が2024年11月7日、東京「赤坂四川飯店」で行われた。ミシュランの星付きシェフら11人が参加し、その魅力や味わいに知見を広げる機会となった。
「あきたこまち」を筆頭に人気の品種を抱える、全国屈指の米どころ秋田。
この地で9年にわたって開発された「サキホコレ」は、「コシヒカリを超える極良食味品種」をコンセプトに、とことんおいしさにこだわって誕生した。
12万株ものイネから選ばれた、秋田県オリジナル品種「つぶぞろい」と愛知県の「中部132号」を掛け合わせた「サキホコレ」は、艷やかで粒立ちのいい食感、噛むほどに広がる甘みと後引く豊かな風味で、令和4年の本格販売以来、県の最上位品種として高い評価を得ている。
今回の試食提案会は、この「サキホコレ」の認知向上と、その魅力を知ってもらうため、秋田県の秋田米ブランド推進室が開催。
日本料理「八雲うえず」(目黒区八雲)の上江洲直樹さん、「割烹みやなが」(品川区五反田)の宮永賢一さん、フランス料理「ピエール・ガニェール」(港区赤坂)の赤坂洋介さんら、活躍中のシェフら11人が参加した。
最初に、県担当者が生産体制について、気象条件等から作付地域を設定し、高い技術を持つ生産者のみに栽培を限定していることを説明。玄米タンパク質含有率6.4%以下など、品質・出荷基準を設けていることについても解説した。
また、(一財)日本穀物検定の食味ランキングで3年連続「特A評価」を獲得した、大粒で粒立ちのよいふっくらとした食感、上品な香り、深い甘みなど、食味についても紹介があった。
続いて、東京・浅草橋で明治18年から続く米穀店「吉田屋」の5代目店主で「五つ星お米マイスター」の小林健志さんが、サキホコレの特徴を生かした炊きたての白米を提供。
参加者は匂いをかいだり、一粒一粒噛み締めるように味わい、「甘みがあって食感がよかった」など、評価は高かった。
次に、赤坂四川飯店の総料理長鈴木広明さんが、「香辣炒飯(シャンラーチャーハン)」を調理実演。これは2024年2月に行われたサキホコレを使用したレストランフェアで実際に店で提供されたメニューだ。
チャーハンに使用する場合も、炊飯の水加減を変えないとの話があり、参加者はサキホコレの汎用性の高さにも注目した。
今回の試食提案会については、「実際に試食できたことで、特色と旨味が理解できた」「香りや食味を体験できると興味がわく」「実際にお客様の前に立つ料理人が食材を知ることは有意義。店や飲食店の仲間との話にもなると思う」など、好評を得た。
「やはり炊きたての土鍋ごはんがいいのでは」「幅広い料理に使える店がいい」等、店での提供に前向きな声も聞けた。
2月1日(土)〜28日(金)には、都内の飲食店でサキホコレを使用した特別メニューを提供するフェアを開催。「六雁」をはじめとする日本料理店のほか、「鉄板天佑」(鉄板焼)、「目白 ぞろ芽」(うなぎ)、「a gatte tanshie」(洋食)などが参加予定だ。
秋田米「サキホコレ」飲食店フェア2025
https://cuisine-kingdom.com/sakihokore-fair-2025/
秋田米「サキホコレ」
https://common3.pref.akita.lg.jp/akitamai/sakihokore/
text:神田 えり子, photo:川上 直見