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絶対押さえておきたい!窯にこだわる都内の旨いピッツエリア3選


2:ピッツェリア エ トラットリア ダ イーサ【中目黒】

ピザ, レストラン,

これぞ、ナポリのピッツェリア。旨さも店構えもリアルに再現

 ナポリで開催される世界ピッツァ選手権で2年連続、日本人初となる世界一に輝いたピッツァイオーロ山本尚徳さん。その25坪の店「ダ イーサ」は、なぜ、行列のできるピッツェリアに成りえたのだろう。
「ダ イーサ」は、山本さんがナポリで呼ばれていた愛称〝イーサ〞からとったものだ。18歳でイタリアンの道に入り、20代からピッツァイオーロの修業を始めた。20代後半には都内有名店の統括料理長に。しかし単身ナポリへ渡った。新たな修業の開始だった。

”聖域で、ひたすら焼き続けて食の原点「幸せの時間」に出会う

クリントン大統領の来店を記念して命名された名店「イル ピッツァイオーロ デル プレジデンテ」で、身を挺して働き抜いた。それは「人生に勝つための技術を学ぶため」だった。行列のできるピッツェリア。その第1の条件は、「職人としての技術力」だ。日本人〝イーサ〞は、オーナーシェフ、エルネスト・カチャッリの「本場の技術」を受け継いだのだ。エルネスト・カチャッリ氏は、食に携わる職人の原点を教えてくれただけでなく、人生の師でもあった。
「親方一家が日曜ごとに海の家に誘ってくれるんです。家族が集まってにぎやかに食卓を囲み、だれもが楽しそうに笑う、幸せの時間。料理人とは“幸せの時間”を創出する職人だと実感しました」

ピッツァイオーロとしてのハード(技術)とソフト(精神)を会得した山本さん。だからこそ、世界一と認められたのだ。そして、2010年、待望の自分の店をオープンした。内装はすべてスタッフと一緒に手がけた。店のコンセプトは、ナポリの下町の食堂。それに習って、照明はあえて蛍光灯だ。


17トンの石を使った特注の薪釜は、ナポリ港から船で運び、据えつけるために名店の釜を作っている職人に来てもらった。「ワンルームのマンションが買える値段がかかった」と笑う。小麦粉はナポリの親方が使っていた「サンフェリーチェ」を取り寄せている。香りがとてもよいのだ。塩は、ミネラル豊富なシチリア産。オリーブオイルはソレントのエクストラバージンオイル。平均単価1枚1000円のピッツァに、「自分が選んだ最高の材料」を使う。そして釜の前の〝聖域〞に陣取り、2分30秒~3分でデリケートにかつ大胆に旨いピッツァを焼き上げる。

40種類は下らないピッツァのほかに、前菜、パスタ、豚のカツレツ(1100円)などメニューは豊富。ランチは1000円。中目黒の〝ナポリの食堂〞は、旨くて安い。昼も夜も「幸せの時間」を満喫するために、お客が耐えないのも当然だ。

取材、文:長瀬広子 撮影:富貴塚悠

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