地域の素材と対話し土地そのものを表現する 竹内悠介 ヴェンティノーヴェ 群馬・川場 24年12月号


東京・西荻窪で9年間「トラットリア29」を営んだ竹内悠介さんは、2022年に故郷の群馬県川場村で、一室の宿泊を併設するレストラン「ヴェンティノーヴェ」を始めた。

「29(ヴェンティノーヴェ)」という店名の一部を引き継ぐも、「カジュアル・ポップな雰囲気と豪快なビステッカ」という前店から転換。以前が「躍動」ならば現店は「静謐」とも表現できそうだ。

竹内さんにそう話すと、「でも芯の部分では変わらないんです」と答えてくれた。子ども時代に親しんだ自然の中での暮らし。東京から川場村に移り住み、父のセルフビルドの家に住み、薪を使って炊飯をしたり風呂を炊いたり……。そんな幼年期の記憶、自然と共に生きる感覚を、群馬に移住したことで取り戻していったという。

実は移転は、建物の取り壊しによる退去が原因で、自ら望んだものではなかった。奇しくもコロナ禍での移転という逆境の中、何を見出し、何を道標に進んだのか。話を聞いた。


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竹内悠介(たけうち・ゆうすけ)

広尾「アッピア」を経て2006年から3年間渡伊。エミリア・ロマーニャ州「アメリーゴ」やトスカーナ州の精肉店兼レストラン「チェッキーニ」で修業。09年帰国。弘前「オステリア エノテカ ダ・サスィーノ」を経て、11年東京・西荻窪に「トラットリア29」開業。20年閉店し、22年「ヴェンティノーヴェ」をオープン。

ヴェンティノーヴェ ventinove
群馬県利根郡川場村川場谷地2593-1(土田酒造敷地内)
ディナー 15:00~19:00LO
水木休 ※1組のみ宿泊可能

text: Reiko Kakimoto photo: Haruko Amagata


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