大の乾麺&ミートソース好きの樫村シェフが繰り出したのが、手ごろな価格でしっかりうま味を抽出できる牛首肉に豚モモ肉、牛バラ肉、牛アキレス腱などを使用し、ワインを加えずに煮込んでストレートに“肉”の風味を押し出したミートソースだ。麺とソースを和えず、ぶっかけスタイルで供するのは、お客が食べながら混ぜる匙加減により、良い意味での“ムラ”が生まれることが狙い。各種部位が融合した肉の風味に、アキレス腱のゼラチン質。食べ進むごとに、ソースの味わいが主体になったり、もっちりしたパスタの小麦の風味を噛みしめる充実感が前面に現れたり、シンプルだが単調ではない。だから、日を置かずに何度でも食べたくなる。
「これが、僕なりの解釈。食べてもらいたいものを明確にして、皿の中心にそれを据える。こだわりはあるけれど、あまり語りたくないんですよね(笑)。ただリラックスして、“旨い!”と感じていただけたら充分。素材を生かすためには、料理人があまり前に出過ぎないことが大事だと考えています」
材料(作りやすい量)
牛首肉、豚モモ肉、牛バラ肉 各2㎏
牛アキレス腱1㎏
ソフリット1㎏
ホールトマト2,550g缶 2個
ローリエ4枚
オリーブ油、塩、コショウ、イタリアンパセリ 各適量
スパゲッティーニ60g(1人前)
作り方
1. 牛首肉は粗びき、豚モモ肉と牛バラ肉は2㎝角にカットし、塩、コショウをもみ込んでオリーブ油で香ばしく炒める。
2. 牛アキレス腱は、柔らかくなるまで茹で、1㎝角にカットする。
3. 1とソフリット、ホールトマト、ローリエを鍋に入れて火にかけ、牛アキレス腱を加えて1時間半ほどしたら塩、コショウで味を調え、さらに30分煮込む。
4. 塩湯で茹でたスパゲッティーニを皿に盛り、3 をかけて粗く刻んだイタリアンパセリを散らす。
樫村仁尊
1974年、東京都生まれ。調理師学校卒業後、「リストランテ アクアパッツァ」入社。一度退社し、イタリアや都内などで経験を積んだ後、広島県「マンジャペッシェ」開店時に再入社。2016年に独立開業を果たす。
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木休
text 木村千夏 photo 篠原宏明
本記事は雑誌料理王国2020年8・9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年8・9月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。