【コラム】世界一になった若い才能たち


世界が近くなった平成時代。ワールドレベルのコンクールで勝利し、世界一の栄冠を手にする若手が何人も生まれた。なかでも平成24(2012)年、サービスの世界一を決めるコンクール「クープ・ジョルジュ・バティスト」での宮崎辰さんの優勝は、日本にフランス料理のレストラン文化が根付いたことを証明する出来事だった。

平成24年(2012)
クープ・ジョルジュ・バティスト/Coupe Georges Baptiste
宮崎 辰さん


「クープ・ジョルジュ・バティスト」は、昭和50(1975)年創設の歴史あるサービス・コンクール。日本からは平成14(2002)年の国際プレ大会に高森修氏が出場し、優勝している。3度目の挑戦だった宮崎辰さんは、日本で開催された世界大会で見事一位に。宮崎さんは、当時「シャトー・レストラン ジョエル・ロブション」(現在はフリー)に勤務していた。

平成29年(2017)
テイスト・ザ・ワールド/Taste the World
能田耕太郎さん


アラブ・アブダビに本拠を置くエティハド航空が主催する「テイスト・ザ・ワールド」は、ロンドン、パリ、シドニー、アムステルダムなどの世界10都市で開かれる予選を勝ち抜いたシェフが、アブダビに集い戦う。ローマの一ツ星レストラン「Bistro64」で料理長の能田耕太郎さんは、ローマ代表として参加。スペシャリテの「バターとアンチョビのポテトスパゲティ」で評価された。

平成30年(2018)
サンペレグリノ・ヤングシェフ/S.Pellegrino Young Chef
藤尾康浩さん


30歳以下の料理人で競う「サンペレグリノ・ヤングシェフ」は、世界21地域の予選を勝ち抜いた若きシェフが、ミラノで最終決戦を行う。第3回大会で、日本代表藤尾康浩さん(左上写真の右)が世界一に。シグニチャーデッシュを通して英語でプレゼンテーションするのがヤングシェフの特徴だ。左下の写真が藤尾さんのシグニチャーデッシュ「アクロス・ザ・シー」。

平成30年(2018)
〈ル・テタンジェ〉 国際料理賞コンクール/Le Taittinger−Prix culinaire international
関谷健一郎さん


数あるフランス料理コンクールの中でも厳しく、難易度の高いことから「コンクールのエベレスト」と称される「〈ル・テタンジェ〉国際料理賞コンクール」で、関谷健一朗さんが優勝。日本人の世界一は昭和59(1984)年の堀田大氏以来34年ぶり。同年8月に亡くなった関谷さんの師匠ジョエル・ロブション氏も昭和45(70)年大会で世界一になっている。

本記事は雑誌料理王国2019年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は 2019年3月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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