野菜研究家・庄司いずみさんがおすすめするプラントフード


プラントベースの食生活を実践するあの人イチオシの食材を紹介する。 実践する理由や今感じていることも聞いた。

野菜料理が“我慢”であってほしくない
餃子もハンバーグも大豆ミートで作る

 子どものころから野菜が大好きでした。本格的にベジタリアンになったのは、20年ほど前です。娘を出産して、乳腺炎を患ったのがきっかけでした。乳腺炎は乳房の組織に細菌が入ることで炎症が起きてしまう感染症ですが、脂っこいものを摂りすぎると、乳管の通りが悪くなって発症するケースも多いんですね。パンパンに腫れ上がったり、高熱が出たり、本当に辛かった…。そんなときに助産師さんから「野菜を中心にした食事に変えましょう」とアドバイスを受けたんです。最初はお肉を1~2割に減らしてみたり、魚料理をメインにしてみたり。試行錯誤しながら続けているうちに、ベジタリアンへ行き着きました。

 出産後の体のトラブルからベジタリアンになって、「自分の食べたものがこれほど体に現れるんだ」と身をもって学びました。野菜料理は「ボリュームが足りない」「うま味がない」などと思われがちですが、工夫して作っているうちに、野菜はポテンシャルが高く、豊かな素材であることにも気がつくことができました。私は食いしん坊なので、ベジタリアンだけど餃子も食べたいし、ハンバーグも食べたいので、大豆ミートなどを取り入れて工夫するようになりました。食は人生の楽しみですから、誰にとっても、野菜料理が我慢であってほしくないので、「おいしい」を大切にしたレシピを発信しようと心がけています。

 最近は週一日だけベジタリアンを実践するなど、暮らしの中で気軽に実践している方も多いようで、それも素敵なことですよね。

 ベジタリアンになったことがきっかけで、野菜料理の魅力を伝えたくて、ブログでレシピの発信をはじめました。実はそれまでは女性誌のライターなどをしていて、料理を仕事にしたいと考えたこともなかったんです。ベジタリアンの道に進んだことで、料理家としての道が開けたとも思っています。

庄司さんのおすすめプラントベース食材

業務用大豆ミート ブロックタイプ

1kg、2,084円/グリーンズベジタリアン
https://greens-vegetarian.com/

「大豆ミートはガラスの保存容器に入れてキッチンに常備。日常的によく使います」と庄司さん。唐揚げやちょっとした煮物、炒め物などに使える。

NO CHICKEN CHUNKS

1,750g、4,900円/ベジタリアンブッチャージャパン
https://www.thevegetarian-butcher-jap.com/

オランダのメーカーが手がけるプラントベースチキン。「低カロリー、低脂質で、コレステロールフリー。焼肉や炒め物、カツなど応用の幅が広いです」。


庄司いずみさん(野菜料理家)
1965年生まれ。2007年に野菜料理やベジタリアン料理のレシピを発信するブログをスタート。現在は料理教室を運営しながら、レシピ本や雑誌、テレビなど、多方面で活躍。著書は70冊以上に。企業のレシピ開発やメニュー監修にも力を注ぐ。今年4月からは、有名シェフとコラボしたオンライン料理教室もはじめた。
庄司いずみ ベジタブル・クッキング・スタジオ
http://shoji-izumi.tokyo/


text 笹木菜々子

本記事は雑誌料理王国312号(2020年10月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は 312号 発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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