「僕らの修業時代というのは、お客さまを喜ばせる、楽しませるというツボまでは教えてくれなかったのが正直なところ」
そう語る和田さんにとって、これまで自分自身が楽しませてもらった経験、周囲の人々から受けた温かい心遣いが「レトノ」におけるサービスの原点となっているという。
カジュアルでありながら、提供される料理は本物。「リーズナブルな価格帯でもこんなことができることを示せる店でありたい」との言葉どおり、連日予約で満席になるカウンターを含めた46席の店内が、その人気を物語っている。
A.サービスのよしあしで店の印象は決まってしまいます。だから、お客さまがリピートしてくれるかどうかを決めるチャンスと考えて、その機会を逃さないよう心がけています。
A.当店のターゲットではないお客さまについては、プライオリティを下げる勇気を持つ。万人に受ける店を作っているわけではないので、当店が求めるようなお客さまに、より密度の濃いサービスができるようにしています。
A.提供する商品の質が高いことを前提に、自分の理想や情熱を共有できるスタッフ、明確なコンセプト、それを体現する料理です。
A.一般的な接客よりも一歩踏み込んで、短い会話でも心が通い合うような距離感を目指しています。お客さまが「ワインを飲みたい、美味しい料理が食べたい」と思った時に、私たちを思い出していただけるのが理想です。
A. お客さまのご来店中に失敗があった場合は、何らかのフォローをして最終的にはよい結果に終わることが多いので、大きな失敗というものはあまり思い浮かびません。
Tomoyuki Wada
20歳で料理の道に入り、27歳で渡欧。星付きレストランでの勤務を経て帰国後、六本木「ヂーノ」のシェフ、ストリングスホテル東京インターコンチネンタル「ザ・ダイニングルーム」の副料理長を歴任。2010年に「レトノ」をオープン。
レトノ
Les Tonneaux
東京都中央区八丁堀2-8-2
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君島有紀=取材、文 岩橋仁子=撮影
本記事は雑誌料理王国2016年8月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2016年8月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。