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イタリアンの巨匠が惚れた食材と調味料「アロマフレスカ」原田慎次さん


古代ローマ時代から伝わるガルムという調味料は、マグロやカツオなどの内臓を塩漬けにして発酵させた魚醤。この流れから、イタリアンのシェフが日本の魚醤を使っても不思議ではないが、原田慎次さんがアユの魚醤を使い始めた当時、それは斬新な調味料使いと注目された。


「発売前から鮎の魚醤のサンプルをもらっていて、ガルムのような生臭さがなく、すっきりとした味わいだったので期待していました」

鮎魚醤
魚をマリネする際に使う場合が多い。たとえばクエ料理では、マリネしたあと網脂で巻いて炭火で焼き、干して糖分を凝縮させたブドウから作るワイン、パッシートのソースと合わせたりする。


また、オリーブオイルより、ゴマ油のほうが適する場合があるとの着想も、原田さんならでは。納得したものは、ジャンルに縛られずに料理に取り入れていく。さらに、満足のいくものがなければ自分で作る。たとえば、エジプトで古くから親しまれるデュカスパイスも、自分の料理に合わせて配合を決め、それが「ア
ロマフレスカ」定番のビステッカのサラダに欠かせない調味料となった。

太白胡麻油
魚をマリネする際に使う場合が多い。たとえばクエ料理では、マリネしたあと網脂で巻いて炭火で焼き、干して糖分を凝縮させたブドウから作るワイン、パッシートのソースと合わせたりする。
マルドンの塩
海水に含まれるマグネシウムやカルシウム、カリウムなどを豊富に含むイギリスの塩。
粗めに砕いて、デュカスパイスに加える。


調味料を極めるには、単に気に入った味のものを選べばよいというわけではない。たとえば塩なら、料理によっては、どの塩を使うかより、い
つ、どれくらいの量を使うかのほうが大切な場合があると言う。食材同
様、調味料選びは奥が深い。その難解な世界を楽しめるのも、味に敏感
なトップシェフだからこそである。

Shinji HARADA
1969年、 栃木生まれ。六本木「ヂーノ」を経て、94年、青山「ジリオーラ」のシェフに。98年、広尾にオープンした「アロマフレスカ」を2010年に銀座に移す。同フロアに「サーラアマービレ」も開店。


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