銀座四丁目の交差点にほど近いビルの地下。ドアを開けると外の賑やかさとはうって変わって、ラグジュアリーな空間が広がる。イタリア語で「真夜中」を意味する店名どおり、平日のラストオーダーが午前3時。銀座で深夜営業のバーは数多くあるが、時間を気にせず夜中にぶらっと立ち寄り、おいしいパスタにありつける店となると希少だ。
シェフの革島宏一さんが人気のスパゲッティとしてあげたのは「イカスミのスパゲッティーニ」。このパスタ目当てに来る常連さんも多いという。「レシピは修業先のローマで覚えた古くからあるやりかたです。大鍋にぶつ切りのイカをワタごと放り込み、赤ワインと一緒に豪快に煮込む。ワタの風味が重要な役目を果たすのでイカの鮮度が命」と革島さん。
聞くところによると、イタリアの社交ダンスのホールでは、夜12時になると真夜中のパスタ「パスタ・メッツァノッテ」がワゴンで運ばれてくるという。食べて踊って、また飲んで、イタリア人の夜遊びはつづく。
ソースはイカをワタごと使うが、赤ワインで煮ることで臭みもとれる。ベースのソースを仕込んでおけば、イカのスミ煮などにも活用できる。ワインもすすむひと皿だ。
スパゲッティーニ 120g/イカスミソース* 大さじ2/トマトソース** 20裨/生クリーム 10裨/オリーブオイル 15裨/ニンニク(みじん切り) 大さじ2/塩、コショウ 各適量/プチトマト、ルーコラ各適量
*イカスミソース(10人分)
**トマトソース(ホールトマト3kg分)
革島宏一さん
1959年東京生まれ。高田馬場「レストラン文流」で働いた後、イタリアへ渡りローマをはじめ各地のレストランやホテルで修業。帰国後、実家経営の「トラットリア ピエモンテ」や「ベッラ・ファミリア」調理顧問を務め、04年より現職。
text by Kanami Okimura/photographs by Yuko Uehara
本記事は雑誌料理王国2007年11月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2007年11月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。