【厳選】トップシェフに学ぶ自家製の食肉加工品


豚スネ肉 ロースハム ソーセージ

シュークルート(キャベツ酢漬け)は、非加熱のフランス産を仕入れ、水にさらす。ベーコンとニンニクを炒め、白ワイン、シュークルートを加えて、フォン・ド・ヴォライユとネズの実を加えて煮込み、塩で味をととのえる。加工肉は時によって異なるが、今回は再加熱したロースハムと豚スネ肉、ソーセージを盛り合わせた。「シュークルート」2940 円

「加工肉はフランス食文化の根底。〝日常食〞の演出には欠かせない」

5年間、フランス各地方のレストランやシャルキュトリーで経験を積んだシェフ、櫻井信一郎さんは、郷土料理の虜になった。2002年にオープンした「ローブリュー」でも、豚肉をよく食べるバスク地方の食材や料理を多く提供するが、さまざまな地方で見られる豚の加工肉も常時5〜6種類を自家製し、カスレなどの皿に仕立てている。
 

「現地では、加工肉作りはシャルキュトリーの仕事。でも『フランス人も認めるフランスの日常食』を出したい僕にとっては、食文化の根底となる加工肉の利用は避けて通れない」という理由から、ハムやベーコン、ソーセージ、豚バラ肉のヴァントレッシュというバスク地方の塩漬け肉なども自家製する。

今回のメニュー、アルザスの地方料理「シュークルート」も、フランスのビストロの定番料理だが、加工肉の選び方と質によって内容に大きな差が出てくる。

豚スネ肉とハム、ソーセージの入るシュークルートは、キャベツの酸味とネズの実のスパイシーな香り、コクのある味わい、と、あらゆる点で本場のシュークルートを凌駕する「本物」の味わい。

豚スネ肉とハムはソミュール液に浸してから加熱。ハムは冷燻して仕上げるため、スモーク香がしっかりとつき、シュークルートの味わいに奥行きを生む。ソーセージは、身に歯応えのある国産豚、脂身にバスク地方の黒豚を使い、コクのある味わいに仕上げている。

冷燻したロースハム、豚スネ肉、ソーセージ。今回のシュークルートの内容。

櫻井 信一郎さん

1961年東京都生まれ。都内フランス料理店を経て渡仏、バスク地方を中心に5年間修業。帰国後、代官山「パッション」などを経て02年「ローブリュー」オープン。

ローブリュー
東京都港区南青山6-8-18
● Phone 03-3498-1314
● 18:00~22:00 LO
● 日曜休
● ディナー 8000円


SNSでフォローする