現在、日本には驚くほどたくさんのイタリア食材が入ってきています。
しかし、実際に知られたり使われたりしているのは、まだまだ一部。
そこで、イタリア貿易振興会をはじめ、イタリア食材に強いインポーター、小売店にきき、各地にある、これから注目のイタリア食材20点を教えていただきました。
A ピエモンテ州
1. ポレンタ粉
2. 超濃厚ブルーベリー液
B ロンバルディア州
3. サラミ・トンド
4. イチジクのモスタルダ
C トレンティーノ=アルト・アディジェ州
5. セミドライトマトオイル漬け
D ヴェネト州
6. コーヒー(インディア)
7. グリーンペッパーの塩水漬け
E エミリア=ロマーニャ州
8. ホワイト・バルサミコクリーム
9. バター
10. コテキーノ
1000年もの間伝えられてきた製粉技術を継承し、石臼で粉作りを行うムリーノ・マリーノ。このメーカーの粉は、風味のよさが際立つ。ポレンタ粉は、古代から残る稀少な土着品種、オットフィーレ種を使ったもの。ひとつひとつの実が大きく、皮に対し実の部分が大きいので、甘味が強い。ポレンタ以外に焼き菓子にも使われる。
アペニン山脈とアルプス山脈に自生する、イタリアの有機認証を受けたワイルドブルーベリーを使用。年に一度、旬の時季に収穫され、新鮮なうちに、砂糖や添加物は使用せずに加工。果実が持つ力強い風味や栄養価を壊さず、凝縮した味わいのジュースにする。フレッシュで濃く、飲料としてだけでなく、ドレ ッシングや肉料理のソースなど、用途は広い。
饅頭のような丸い形が、イタリアでもめずらしいサラミ。ハーブやニンニクをたっぷり練り込んでいるので香りがよく、食べるとほのかなスパイシーさがある。熟成期間が短く、乾燥を防ぐために表面を米粉でコーティングしているので、フレッシュさとジュ ーシーさがしっかりと閉じ込められている。ヴァチカンにも献上されている。
モスタルダとは、フルーツや野菜をシロップで煮て、マスタード・エッセンスを加えた北イタリア独特の加工品。もともとは果物の保存食として利用されていた。見た目はジャムに似ているが、口に入れるとピリッとした辛味がある。イチジクのモスタルダは、イチジクの凝縮した旨味と甘味があり、生ハムや青カビのチーズによく合う。
プーリア州産トマトを縦割りにし、1時間乾燥。短時間乾燥させることで、フレッシュ感とジューシーさを残しつつ、しっとりとした旨味と甘味を凝縮。肉厚で形が崩れておらずしっかりしているのも特徴。トマトの風味を引き立てるために、オイルはあえて、穏やかなひまわりオイルを使用。ニンニク、バジリコと一緒に漬け込んだ。
オーナーのジャンニ・フラージ氏は、コーヒー豆の栽培から収穫まで立ち合い、厳しく管理。さらに焙煎は、熟練した職人により自家焙煎を行い、豆本来の味わいを引き出すため、深煎りの手前で焙煎される。イエメンで生まれ、インドとドミニカ共和国に渡ったといわれるコーヒーの歴史にちなみ、このコーヒー豆はインド産。ほどよい苦味が特徴。
社名の「マリチャ」はサンスクリット語でコショウの意味。オーナーが世界中を回って探し出したマレーシア産のコショウを使った製品で、このアイテムは、マレーシアのサラワク州で収穫されたグリーンパッペーを塩漬けにしたもの。開花後4 ~5カ月の実を摘み、茎を取って水洗いしてから漬けており、新鮮なコショウの風味を味わえる。
JAS有機認定商品。化学肥料を使用せず、有機栽培で作った農作物から加工品を作るラセルバが手がけるバルサミコクリーム。バルサミコ酢をベースとしたなめらかなクリームで、やわらかい甘さとまろやかな風味、そして心地よい酸味のバランスがよい。肉料理や魚料理のアクセントに、デザートのソースとして使える。色が白いので汎用性が高い。
100%自社の牛乳だけでパルミジャーノ・レッジャ ーノを作っているボナーティのバター。自生する野草やトウモロコシ、カラスムギなど天然穀物で育てられた牛の乳をひと晩ねかせ、浮いた脂肪分を3時間かけてゆっくり回して作ったのがこのバター。牛乳自体が持つ甘い香りと上品で優しい味わい、すっきりとした後味がある。
ジューシーで大ぶりな腸詰めソーセージで、モデナ地方のIGP認定アイテム。ゆでて厚めに切ったり、煮込み料理に使ったりする。イタリアの冬の食卓に欠かせない豚肉加工品でもあり、年越しに金運の象徴であるレンズ豆と一緒に食べると縁起がよいとされる。同様の材料と作り方で、豚足に詰めたものはザンポーネと呼ばれる。
本記事は雑誌料理王国第200号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第200号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。