サステナブルな素材 外洋環境が育む、高品質で多彩に生かせる養殖魚「ルビナ」 26年2月号


脂の旨さ、扱いやすさ、生食の安心。欧州の星付きシェフが選ぶ“トロスズキ”ルビナが、日本の厨房に新たな可能性を拓く。

自然な環境で育つ、おいしい養殖魚。“トロスズキ”ルビナとは?

養殖魚のイメージは、世界で更新されつつある。魚にも環境にも負荷のない長期養殖により、天然をも上回る味わいの魚が実現する。その事実を説得力とともに示しているのがスペイン・アクアナリア社のルビナ。大西洋の開放海域で約4年を費やし、自然な脂、きめ細かな筋肉質の身、自然な香りを備えた白身魚を作り上げる。

ルビナとはヨーロッパスズキのことだが、アクアナリアのそれは食べごたえと脂のりが段違いで、「トロスズキ」とも呼びたいコクと旨さがある。高品質を支えるのは、季節や魚齢に応じた生育環境の細やかな調整に加え、水中ドローンで給餌量を管理する独自技術、厳密な処理工程。養殖ゆえの安定供給は、飲食店にとって魅力だ。

ルビナの杉板焼き かんずりのピュレ シーベリーのバターソース
杉板の香ばしさをまとうルビナに、かんずりの辛味とシーベリーの酸味を重ねた。ルビナは加熱してもなめらかで弾力ある。脂の甘さが辛味と酸味と調和し、余韻を残す。
厚切りのルビナに澄ましバターを塗り、48℃で20分間加熱。ラルドのスライスとローズマリーをのせて杉板で包み、焼く。
スモークと共に提供する演出の後は、かんずり(唐辛子を発酵させた新潟の伝統食品)入りのポテトピュレ、かんずり入り甲殻類ソース、シーベリーのブールブランと盛りつける。

今回使用した加藤シェフはルビナを「スズキとは別物」と評す。脂の甘さと素直な旨みを生かし、タルタルと杉板焼きの二品を考案。辛味や酸味で脂の味わいエッジをつけるのがポイント。アニサキスフリーゆえの生食での安心感、加熱してもなめらかさを失わない身質に好感を持ったという。

ルビナのタルタル ビーツのピクルス 山ワサビのアイスパウダー
ルビナのタルタルをディル、ライム皮のゼストなどで和え、ビーツでロール。ホースラディッシュのソース、ビーツ汁とアップルビネガー風味のタピオカが、ルビナの脂と旨さを引き立てる。
清澄な海でゆっくり育つルビナは脂がのりつつクセがな。ハーブと酸味を加え、タルタルで楽しむ。アニサキスフリーで生食も安心。

香ばしくグリルしオリーブオイルやトマトと合わせる南欧風にも、油脂を加えずだしで仕立てる和食にも馴染むだろう。おいしくてサステナブル。ヨーロッパのミシュラン星付き店でも支持されてきたアクアナリアのルビナは、次世代の白身魚として、日本の厨房でも新たな可能性を拓くはずだ。

ラルジャン シェフ
加藤順一
 かとう じゅんいち

1982年、静岡県生まれ。「タテル・ヨシノ」などを経て2009年渡欧。パリ「アストランス」やコペンハーゲン「AOC」で研鑽。帰国後「スブリム」シェフ。2020年「ラルジャン」開業時にシェフ就任。2023年、銀座から虎ノ門に移転。

ラルジャン
東京都千代田区霞が関3-2-6 霞ダイニング2F

健康な養殖魚は美味かつサステナブル

大西洋の澄んだ海でプレミアム・ルビナ(ヨーロッパスズキ)を養殖するアクアナリア。「天然が上」という欧州の常識を覆してきたブランドだ。最新技術で魚に最適な環境を整え、常に均質で高品質な白身を実現。欧米ミシュラン星付き店が多く採用してきたのも、確かな味と安定性ゆえだ。同社は持続可能性の厳しい認証であるGlobal GAPなどを取得し、水質保全や環境負荷の低減を徹底。日本市場でも価値を提案しつつある。

4年で約1.5kgに飼育。
養殖場はカナリア諸島外洋の自然な潮流の中。
マドリードフュージョンでサステナブル賞を協賛。

詳細はこちら

text cuisine kingdom photo Haruko Amagata

3,000記事以上 会員限定記事が読み放題 無料会員登録

SNSでフォローする