食材の持ち味を最大限に生かす、手製のピクルスやオイル〈東京都中央区〉 Restaurant L’ARGENT 加藤順一 23年6月号


味わいの幅を広げ、深める
5名店の自家製調味アイデアのレシピ

フードロスの削減や伝統的な地域食文化の再発見など、食を通した社会課題への取り組みが注目される近年。そんな潮流の表れの一つとも言えるのが、レストラン自家製の調味アイテム。食材を無駄にせずに使い切り、未知なる美味しさを表現する、シェフのアイデアをご紹介します。

フランス料理の味の確かさと新北欧料理の自由な発酵技術の融合

銀座4丁目交差点の一角を占めるビルの7階、窓の外の正面には和光の時計塔――そんな銀座のまさに中心に位置するレストラン「ラルジャン」。加藤順一さんは、同店が2020年にオープンした時からシェフを務める。

加藤さんは「タテル ヨシノ」や「オテル・ド・ヨシノ」でクラシックなフランス料理を習得してから渡仏。モダンフレンチの「アストランス」で働いた。さらに北欧の現代的なレストラン数店でも2年にわたり経験を重ねた。

そんな加藤さんは今、店で発酵、塩漬け、酢漬け、パウダーなどさまざまな自家製のアイテムを作っている。ただし加藤さんは「今、北欧から広がる形で、レストランでの発酵調味料作りが世界でブームになっています。でも、目指す味作りにおいてそれが本当に必要なのか、常に自問することが大切。私もそれを欠かさないようにしています」と言う。


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text: Izumi Shibata photo: Hiroyuki Takeda

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