2024年10月23日
「フランス料理に適していて、しかも日本人の舌を満足させる牛肉」を、中野寿雄さんは長年探していた。そんな日々のなかで見つけたのが、今回の3種類の肉だ。
但馬牛の8週間熟成は、肉汁にとけ込んだ旨みもすべて皿に盛り込むため、あえて煮込みにする。「熟成肉の香りが気になるお客様でも、煮込みにすることで気にならなくなります」
アメリカンビーフは、脂の質がよく、ソースの邪魔をしないので、フランス料理に向いていると感じた。「サシが少ないので、赤ワインソースは少し甘めに仕上げています。逆に熟成肉のほうは脂身が多めなので、甘みは抑えて酸味を効かせる。同じ赤ワインソースでも微妙に味を変えて、肉の旨みがよりいっそう感じられるようにしています」
レシピは次ページに掲載しています。
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阿智黒毛和牛は、産地の長野県阿智村で出会い、惚れ込んだ。「肉の味わいがずば抜けておいしく、繊維も細かい。私はシンタマやサンカクなど、運動量が多くて旨みが強い部位を好んで使っています」
フランス料理は、やはりソース。「牛肉の旨さとソースのおいしさでお客様に喜んでいただけるひと皿に仕上げるのが、私の理想です」