料理王国大賞2024のトロフィー授与式のため、ガストロノミー“ジョエル・ロブション”に伺いました


創刊30周年記念に2月号で発表した料理王国大賞2024。記念すべき第一回の受賞シェフは、トップシェフたちへのアンケート集計から、ガストロノミー“ジョエル・ロブション”の関谷健一朗シェフに決定しました。2月号の発売と同時に様々な反響をいただき、特にシェフや料理関係者の皆様の話のネタにもなったようで、高評価をいただきました。ご協力いただいたシェフの皆様、ありがとうございました。3月11日に、大賞のトロフィーを関谷シェフにお渡しするため、東京恵比寿のガストロノミー“ジョエル・ロブション”へ。受賞の感想、今後の抱負などをお伺いしました。

トロフィーを受け取り、笑顔の関谷シェフ

「嬉しいの一言です」の第一声。「フランス人以外で初めて料理部門のM.O.F.を受章したことが決め手だと思いますが、、それを取るにあたっての色々なことが思い出されて、協力いただいた日本やパリの店のスタッフの方たちに感謝したいと思います」とのこと。M.O.F.を受章したときも喜びは一瞬だったそうで、グルノーブルからパリに帰るTGVの車内で3時間、一人になった時に喜びが溢れてきたといいます。料理王国大賞受賞の喜びも一瞬でしたが、それに見合う仕事を今後はしなければと思っていますと熱く語っていただきました。

今までは、ロブションの料理をロブションのスタッフに伝えればいいと思っていたのが、M.O.F.をいただいてからは、その分母が大きくなって、これからは日本の料理人に伝えていかなければ、と思うようになったそうです。料理の専門学校の講師の仕事もオファーをいただくことが増えました。去年1年間で、フランス料理に関する主要なコンクールには全て審査員として参加しました。いつか、ボキューズ・ドールを日本人が取る時が来たら、サポートメンバーとして隅の方に小さく写っていたいと思っているそうです。「今までは自分には憧れるシェフがいましたが、これからは自分が憧れられる存在にならなければと思いますし、M.O.F.の受章をきっかけに、自分も挑戦してみたいと思ってくれる日本の料理人が出てくれるといいと思います」。

「嬉しいの一言です」と関谷シェフ。今後の動向は、今まで以上に料理業界注目の的になるでしょう。

「次の世代に教える機会が増えたので、フランス料理に関してさらに深く学ばなければ」と思うそうです。今、気になっているシェフは、同時期にM.O.F.を受章した7人のフランス人シェフたち。同期受章ということもあり、今後の彼らの動向が気になるとのことでした。

最後に若手料理人に伝えたいことをお聞きしました。
「今の若い人は途中で諦めてしまう人が多いような気がします。一つのことを極めるのは難しいし時間がかかると覚悟して、料理に取り組んで欲しい」。

「そのためには一流の人に学んだ方が上手くなる。グランシェフたちは人を残しているからすごいと思う。作った料理はそのまま残すことができないし、レシピは残せてもその味は残せない。だから最後は人を残せるシェフにならないといけない」と思っているとのこと。

「ロブション出身の名だたるシェフが日本だけでなく世界で活躍していることはすごいと思う。自分がロブションの弟子と言えるのは、M.O.F.を取ってから。取ったからこそやっとスタートラインに立てたかなと思う。これからの自分の振る舞いで自分の本当の価値は決まると思う。僕の姿を見て、自分もチャレンジしたいと思う人が出てきて欲しい。M.O.F.は4年に1度しか審査がないので、自分が現役のうちにあと3人は日本人に出てきて欲しいと思うし、料理部門以外の日本人のM.O.F.仲間が増えればいい。ぜひ目指して欲しいと思う」。

熱く語る関谷シェフの今後にますます期待がかかります。

料理王国大賞は、シェフたちが選ぶ大賞と、読者の投票で選ぶ読者賞、ジャーナリストが選ぶジャーナリスト賞がありますが、その3部門全てで関谷シェフがトップに選ばれました。2023年、各方面から圧倒的な支持を得た関谷シェフですが、2024年はどんなスターシェフが登場するか?? 期待感いっぱいのトロフィー授与式になりました。関谷シェフ、おめでとうございます!!

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目次はこちらをご覧ください
https://cuisine-kingdom.com/magazine-202402/

text:野々山豊純

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