現在、登録者数55万人。You Tubeを積極活用するシェフロピアこと「リストランテ フローリア」の小林論史シェフ。YouTubeチャンネル「料理王国」でも人気です。今回はイタリアンの名店「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフを訪ね、系列店・銀座「ヤマガタ サンダンデロ」へ。
YouTuberシェフとして、飲食業界では知らない人はいないと言われる「リストランテ フローリア」の小林諭史シェフ。各料理の巨匠を訪ねて料理を教わるこの企画でも多くの料理人とコラボし、その様子をYouTubeで配信、人気を集めている。
今回、小林シェフが訪ねたのはイタリアンの巨匠・奥田政行さんだ。飽くなき探究心で独自の理論を構築。それぞれの素材が持つうま味をグイと引き出し、美味しいひと皿を作り上げる奥田さんの〝理論〞は、出来上がった料理をひと口食べれば納得させられる。
そんな奥田さんが今回用意してくれたのは、野菜だけで作る逸品。「キュウリのペペロンチーノ」と「新タマネギが主役のパスタ」だ。まずは「キュウリのペペロンチーノ」。苦味があるキュウリの皮は、むいて千切りにする。キュウリは4mm角に切り、2%の塩を振っておく。「これは浅漬けと同じ割合です」と、奥田さん。フライパンにオリーブオイルを入れ、薄くスライスしたニンニクを色が付かない程度に炒め、小口切りにした青唐辛子を入れる。辛味がオイルに移ったらキュウリの皮を入れて軽く火を通し、火を止める。そこに角切りにしたキュウリと茹で上がったパスタを投入し、サッと具とパスタを合わせれば「キュウリのペペロンチーノ」の出来上がり。皿に盛ったら、エクストラバージンオリーブオイルを回しかけするのを忘れずに。
「こうやって調理するとキュウリの独特な苦味は全く感じられませんね」と、小林シェフ。
続いては「新タマネギが主役のパスタ」。こちらも、スライスしたニンニクを色付かない程度に油で炒め、そこに新タマネギの葉を入れ、塩を振って蓋をする。さらに、ビネガーに漬けた山椒の実とみじん切りにした新タマネギの半分の量を入れて炒める。
「タマネギはしっかり炒めて甘味を引き出します」と奥田シェフ。あとは、パスタと軽く和えて皿に盛り、その上に新タマネギのみじん切りの残りを乗せ、山椒の葉を飾れば完成だ。山椒の実の代わりに、水に浸けた黒胡椒を使ってもいい、と奥田シェフは言う。
「どちらも作り方はいたってシンプルですけれど、味わいは奥深いですね。キュウリだけ、新タマネギだけしか使っていないとは思えません」
と小林シェフが驚きを口にすると、奥田シェフは「素材の切り方や火の入れ方で、食材の味はどんどん変化するんです。その変化を上手く利用したのがこのふた皿です」と話し、笑顔を見せる。また、奥田シェフはパスタの茹で湯の塩分は2.5%に決めている、と話す。
「理由はパスタに塩味が付く、パスタの表面が締まるなどのメリットがあるからです。ただ、塩味が強くなり過ぎるので、湯でパスタをゆすぎます。その場合は茹で時間を10秒短くします」と奥田シェフ。
いやはや、料理はやっぱりサイエンス。詳しくは動画をご覧下さい。
奥田政行シェフ
1969年、山形県鶴岡市生まれ。高校卒業後、東京でイタリアン、フレンチ、フランス菓子、ジェラート作りの修業に勤しむ。27歳で鶴岡ワシントンホテルの料理長に就任。2000年に「アル・ケッチァーノ」を櫛引町(現・鶴岡市)に開く。
ヤマガタ サンダンデロ
東京都中央区銀座1-5-10 ギンザファーストファイブビル2F
TEL:03-5250-1755
11:30~15:00(14:00LO)
18:00~22:00(20:00LO)月休
小林諭史シェフ
1980年、長野県生まれ。2013年「リストランテ フローリア」をオープン。2016年オーナーシェフに。2014年にYouTubeチャンネルをスタート。途中ニコニコ動画に移行するも、17年再びYouTubeチャンネルに活動の場を移し、多くのファンを獲得。
Ristorante floria
長野県長野市篠ノ井杵淵48-7
TEL: 026-214-3446
11:30~15:00(14:00LO) 18:00~21:30(20:30LO) 月休
https://www.ristorante-floria.com