味わいのコントラストの強弱を操り独自の“食文化の交差”を表現する【南イタリア/シチリア料理】クローチフィッソ 23年6月号


シチリア島南東部ノートのリストランテ「クローチフィッソ」の日本店は、本店のシェフ、マルコ・バッリエーリ氏のフィロソフィを受け継ぎ、メニューを踏襲しながらも、下川原裕貴シェフによる再解釈で独自の味を繰り広げる。その要となっているのは、イタリアと日本の“食文化の交差”だ。

南イタリア/シチリア料理とは

地中海中央に位置するシチリア。古代ローマの穀倉として作物の栽培が盛んになり、10~11世紀、アラブからはスパイス、アグロドルチェ、一説によればパスタもこの時代にもたらされたと言われる。スペイン支配下ではアラブ以来の料理がさらに洗練されると同時に、新大陸から食材が持ち込まれ、とりわけナスはシチリア料理に欠かせない食材として定着した。


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text: Manami Ikeda photo: Hiroyuki Takeda

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