ヨーロッパ料理のルーツを探る 豊かな地中海の食文化と名店 23年6月号


作物の栽培から調理まで、食に関する知識と技術・伝統が2010年、ユネスコ無形文化遺産に登録された地中海の食文化。それは、古代ギリシャ・ローマを起源とするヨーロッパの食文化の原点でもある。
その食文化の基盤となるのが、西アジアから地中海沿岸地域に伝播した小麦やオリーブといった植物。植物考古学の研究者・丹野研一さんにその起源と伝播の歴史をお聞きし、ヨーロッパ料理のルーツを探った。地中海料理の名店の紹介と供に。

地中海沿岸の食文化繁栄のカギは西アジアにあり

人類史上、最初の文明はメソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、中国文明の世界四大文明というのが定説になっている。その中で、地中海沿岸近くに興った文明にメソポタミア文明がある。しかし、この文明発祥とされる約5500年前より遥か昔、約1万1000年前には、地中海沿岸で既に農耕が始まっており、これを起源にさまざまなルートで世界中に伝播していったとされている。


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text: Kurumi Kamimura

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