スープは濃厚な豆乳と、干し貝柱の旨味を加えた鶏がらスープを合わせ、まろやかに仕立てた。麺には、押し豆腐を細切りにした豆腐干絲を使用。これは味を吸うことに長け、干し貝柱のエキスや紹興酒のおいしさをたっぷり吸ってくれるからだ。麺の上には枝豆、牛肉、高菜漬け、豆板醤で作った「枝豆醤」に山椒の香りを加えた〝具〞を乗せた。
「豆がテーマですから、スープの味や濃度と麺の固さとのバランスはもちろん、食べ終わるまで豆の香りと味が生きるようにしました」
最後には、出身地である千葉県の名産品、落花生の香りを振りかけた。
昨年、ゴールドエッグを獲得するも、グランプリには手が届かなかった。自身と向き合い、自分の中にある「自信のなさ」に気づいた。「それが料理に現れてしまっている。常に迷っている。それでは食べ手の心には届かないと思いました」
自信につながる知識を身につけ、「料理が好き、人が好き」という初心を忘れず進もうと決めた。リベンジの準備は、もう、整っている。
1.麺は押し豆腐
2.スープに豆乳を
3.枝豆醤に山椒の香り
麺にもスープにも醤にも豆が使われている〝豆づくし麺"。食感にアクセントを出すために、麺には糖度が高くてコクがある深谷もやしを合わせている。「麺、スープ、醤をよく混ぜて召し上がってください」と平賀さん。
材料(4人分)
豆腐干絲…800g/豆乳…800cc/深谷もやし…400g/鶏がらスープ…400cc/枝豆150g/落花生…40g/牛肉…150g /高菜漬け…75g/パプリカ赤…20g/パプリカ黄…20g/パプリカ緑…20g/豆板醤…10g/干し貝柱…20g
作り方 麺もスープも醤も豆づくし
●下ごしらえ
●枝豆醤をつくる
●豆乳スープをつくる
ねぎ油をなじませた中華鍋に、紹興酒と鶏がらスープを一度に注ぎ、白濁させ、貝柱を入れ、塩・こしょうで味をととのえ、豆乳を加える。
●豆腐干絲を煮て、豆腐麺をつくる
●盛り付ける
1980年、千葉県出身。華調理師専門学校を卒業後、1999年に株式会社Wakiyaに入る。「トゥーランドット游仙境横浜店」、「Wakiya一笑美茶樓」、「Wakiya迎賓茶樓」(主任)、「上海DOLL by Wakiya」(料理長)などを経て、2014年より「トゥーランドット游仙境横浜店」(副料理長)に勤務。
トゥーランドット游仙境
神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-7 横浜ベイホテル東急3F
☎ 045-682-0364 www.wakiya.co.jp/restaurants/yokohama/
上村久留美=取材、文 星野泰孝=撮影
本記事は雑誌料理王国242号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は242号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。