日本料理の基本「だしを学ぶ」


昆布だしをとる

〈できあがり分量約6.5ℓ〉
軟水 7.2ℓ
利尻昆布 120g

鍋に水と昆布を入れ、弱火にかける。一番だしと同様に60℃で1時間加熱し、その後、昆布を取りだす。

昆布だし
昆布だしは、乾燥した昆布を水または湯で成分を抽出したもの。昆布の表面に白い粉がついていることがあるが、これはマンニトール(マンニット)という糖アルコールの一種で、洗い流す必要はない。昆布を水に浸漬すると粘りが出てくるが、これはアルギン酸ナトリウムという多糖類。アルギン酸ナトリウムが昆布の表面を覆うと、成分の抽出が妨げられる。水温が高いと昆布の組織からアルギン酸ナトリウムが出てくるため、60℃程度までの加熱が適切。昆布だしの主成分はグルタミン酸ナトリウムで、昆布だし単体では相乗効果が期待できないので、イノシン酸やグアニル酸が多い素材との組み合わせを考えるとよい。潮汁など魚料理の場合は、鰹節を使うと鰹節の香りが勝ってしまうので昆布だしを使う。

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