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帝国ホテルのパティシエから「氷彫刻士」として活躍


誰もが与えられるものではない

そして2016年、再び転機は訪れた。帝国ホテルで約40年間、氷彫刻を担当していた平田謙三さんの後継者に抜擢されたのだ。「その頃は仕事にも慣れてきて、自分がつくりたいものを自分の手で表現できるパティシエという仕事にやりがいを感じるようになっていました。正直なところ、抵抗感はありました。しかし、世界的な氷彫刻士の平田さんに直接教えてもらえる機会なんて誰もが与えられるものではないと思い、チャンスと捉えて、やってみようと思いました」。

大胆なドリルさばきで、氷のなかにバラとカラーを描いていく赤羽目さん。

2018年4月には、氷彫刻専任者になり、独り立ちした。
「ちょうどその頃ですね。海外からの賓客のお客さまのパーティーで、高さ2メートル以上の氷の彫刻をつくってほしいと依頼されたのです。確か企業のロゴマークのようなものだったと思いますが、それだけの高さがあると倒れてしまう恐れもあります。平田さんが一緒じゃないというだけでも不安なのに、『倒せない』というプレッシャーもあり、パーティーが終わるまでヒヤヒヤしていました(笑)」。
一方で、氷彫刻の大会では自分の好きなものを自由に彫ることができるので楽しい、と赤羽目さんは笑顔を見せる。

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