食の未来が見えるウェブマガジン

今後に注目大!のジャンル。広がる羊肉×和食の世界


羊肉と和食ってなかなかイコールにならないですよね。羊肉を使った和食は??と聞いて答えられる人はそこまでいないかと思います。広義で言えば「ジンギスカン」や「ラムしゃぶ」は日本で中華料理から進化したものなので、和食と言えないこともないですが、本当にそのぐらいしか日本食と羊肉の接点は少ないのです。これはわかりやすい理由がありまして、羊が正式に飼われ始めたのが明治初期という事。そのときは主に毛を取るためで食べるためじゃなかったことが大きな原因。そもそも素材として昔からなかった食材なので、料理が発展する基礎もなかったんです。

しかし!ここ数年羊肉を和に取り入れたお店がどんどんと誕生してきています。あ、他の肉でも代用できる料理を持ってきて「羊和食です!」と言っているとかではなく、羊だからこその美味しさの料理を出している事が重要であることは言うまでもありません!

【四ツ谷三丁目駅・ろっかん】
日本酒と発酵をテーマに変幻自在な料理を提供

▲ 個人的マイ・ベスト山羊汁。

私の周りの日本酒好きの間で話題のお店。熟成させた日本酒と発酵をテーマに様々な和食を提供しているお店で、いつもあっと驚かされる料理やお酒を提供してくれます。

「僕、羊肉がじつは一番肉の中で好きです」とおっしゃるオーナーの羊料理のベースは和食ですが、その範疇にとどまらない。羊のカツやラム餃子、発酵系ソースのかかったローストと変幻自在。ちなみに、羊肉の話にこれを入れちゃうのはどうかと思いましたが、沖縄料理の山羊汁の中で一番美味しかったお店がこちらになります。また、これも羊とは違いますが熟成された魚の刺身も絶品なのでお試しを。

店舗情報
【店舗名】ろっかん
【住所】〒160-0007 東京都新宿区荒木町1−2
【営業時間】[月~金] 18:00〜24:00   [土、日] 不定休
【電話番号】03-3359-5595

【市ヶ谷駅・焼き羊】
ラムと酢味噌の組み合わせの絶妙な味わい

▲ これがお気に入りの酢味噌和え。見た目も美しい。

行くたびに絶えず驚きがあるお店がこちらの焼き羊。メニューが絶えず進化し、親しみやすい羊和食を提供してくれるお店です。メニューを開くと「ラムコロッケ」「ラムの生ハム」「ラムの卵とじ」「ラムの肉豆腐」とラムメニューが並びます。このメニューがどんどん進化していくのを見るのが個人的密かなる楽しみ。

名物の串焼きも以前は焼鳥のような形だったのですが、今は部位ごとの大きめの塊を一つどんと串に挿して焼いている形に。これが各部位の味の違いを感じられて素敵なのです!個人的なイチオシはラムの酢味噌和え。ラムと酢味噌なんて考えないし、想像もつかない・・・・と思いますが、是非一度味わってほしいですね。

店舗情報
【店舗名】焼き羊
【住所】〒102-0074 東京都千代田区九段南4-4-7 中川ビル B1F
【営業時間】[月曜]17:30~23:00[火曜~金曜]12:00~14:00, 17:30~23:00
【電話番号】03-6261-3390

【板橋駅・ひるあんどん】
この羊の一品のために訪れるお客さんも

▲ ゆずの風味が生きるラム肉。みょうがが大事なアクセント。

ここで、変化球で蕎麦屋を入れます。もともと、蕎麦前が美味しく蕎麦も美味しく長居ができてじっくり飲めるお蕎麦屋さんの店長が独立して始めたのがこのお店。丁寧な仕事の料理が自慢なのですが、必ずラム料理が一品入ります。「なんだよ、一品だけかよ」と言うなかれ!この一品を食べるために出かける人が結構いるのです。この前伺ったときのメニューは「ラム肉の柚子味噌煮」薬味のアサツキとミョウガがさっぱりとした風味とラム肉の相性が抜群で、隠し味のゆずがまた酒に合うのです。そして、薬味に「羊肉専門調味料 羊名人」が置かれているあたりも、隠れた羊愛をひしひしと感じます。

店舗情報
【店舗名】ひるあんどん
【住所】〒173-0004 東京都板橋区板橋1丁目7−6 ルアーナ M102
【営業時間】[火~日] 11:30~14:00 , 17:30~22:00
【電話番号】03-5944-2504

このように、羊和食の店を紹介しましたが、各店舗に共通して流れるのは大いなる羊愛です。あえて、和食で確立されてない素材である羊肉を使い、世に新しい羊和食の流れを作ろうとしてる「その意気やよし!」のお店たち。素材として和食の中では固まってない羊肉は前例がないので試行錯誤が必要ということでもありますが、逆にとらわれず自由に創造できる利点もあります。

この羊和食の流れどんどんと進化していくと思いますので、目が離せません。

今、なかなかレストランに行くことができないご時世ではありますが、一刻も早くコロナウイルス問題が解決し、皆さんに羊肉と和食の組み合わせのすばらしさを知って頂けたらと切に願います。

最後に一点ご注意なのですが、メニューは季節により変わります。各お店の料理は菊池訪問時であることをご了承ください。念為。


取材・文・撮影=菊池一弘

株式会社場創総合研究所代表取締役。羊好きの消費 者団体齧協会主席。羊を常食とする地域で育ち、中国留学時にイスラム系民族の居住区に住んでいたことなどから、20代前半まで羊は世界の常識と思ってそだつ。本業は「人を集める事」企画から集客、交渉や紹介など。公的団体の仕事から、個人までできる事なら何でもやるスタンス。最近は四川フェスの運営団体麻辣連盟の幹事長も兼務。監修書籍に「東京ラムストーリー(実業之日本社)」「家庭で作るおいしい羊肉料理(講談社)」がある。


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