2024年11月18日
蔵元の熱意が伝わる質の高い酒を押さえつつ、寄り添う料理と提案力のあるもてなしで、お客からの支持が厚い実力店。 造り手と飲み手をつなぐ、日本酒に強い店の人気の秘訣を探る。
若き男女が夜な夜な集うスタイリッシュな現代版角打ち
西新井にある関原商店街。その外れに創業50年の「松屋酒店」はある。4年前、松本祐児さんが3代目を継ぐまでは、いわゆる街の酒屋だった。しかし、量販店などにお客が流れるご時世ゆえ、一念発起。改装して角打ちスペースを新設、夜は「酒屋バル nibu」として営業をはじめた。
日中、酒屋として扱うお酒も一新し、ほぼ日本酒とワインに絞り込んだ。夜のメインは各地の地酒だ。「年々、日本酒の消費量は減っています。でも素晴らしいお酒はたくさんある。まずは気軽に試してもらえれば」と松本さん。角打ちといえば年配客のイメージだが、内装はバル風のしつらえ。料理は酒肴に、リゾットなど手をかけたメニューも揃う。狙うは、若き飲み手の開拓だ。
オープンして10カ月。客層は若者が中心で、遠路はるばる訪れる人も多い。「酒屋としての挑戦」に、松本さんは手応えを感じている。
text 藤田実子 photo 牧田隆志
本記事は雑誌料理王国第214号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第214号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。