日本全国に1400あると言われる醤油蔵のうち、350軒以上を周ったという高橋万太郎さん。生産者との交流から醤油の知識を得て、現在故郷の前橋市で「職人醤油」を運営している。
高橋さんが訪ね歩いた約350の醤油蔵の中から、桶造りに向き合いながら、しっかりと旨い醤油を造っている蔵、さらには編集部が注目する桶造りの蔵もピックアップ。そこで造られる醤油と併せて紹介する。
蔵人の考え方、蔵の微生物が生んだ「そこでしか造れない醤油」を、ジャンルを問わず、さまざまな料理に試してみてほしい。
醤油造りの肝である麹を「麹蓋」で作る。その手間の多さから、「麹蓋」を用いる醸造所は全国にほとんどないとされる。蔵人が手塩にかけた醤油「百寿」は味・色が芳醇で薫り高い。
1787年(天明7)創業。常時約100本の木桶を用いて諸味の仕込みを行う。「日本一しょうゆ一番しぼり」はこの伝統製法で1年かけて醸造される濃口醤油で、有機素材にこだわる。
1923年(大正12)創業。国内産大豆と国内産小麦、天日塩の使用にこだわる。「木桶仕込しょうゆ」ほか2商品を木桶で醸造しており、約1年間の発酵と熟成を行う。
1830年(文政13)に建てられた蔵で醸造を行う。再仕込み醤油「はつかり」は木桶で2年間自然熟成され、うま味成分と残留糖類による自然な香りでクセがなく、様々な料理に応用が可能。
1688年(元禄元)創業、約320年の歴史を持つ。看板商品の「お常陸」は県で初めて農林水産大臣賞を受賞した。
1880年(明治13)、醤油製造を始める。蔵には杉木桶が約110本並び、その大きさと数は東日本屈指とされる。「平左衛門」は年に一度の限定醸造で、その芳醇な味わいが魅力。
1835年(天保5)創業。天然醸造で醤油を製造する。全国醤油品評会において農林水産大臣賞受賞を3度受賞。「たまさ醤油」は木桶で1年熟成させた看板商品。
創業260年、醤油だけを作り続け、蔵には大杉桶が並ぶ。常に-12℃に管理し、熟成された醤油は豊かな風味が特徴。
1905年(明治38)創業。看板商品のひとつ「甘露醤油」は諸味を搾ったものにしょうゆ麹を仕込み、さらに追麹、追糀をし発酵・熟成させた四段仕込みの醤油で、濃厚な香りが特徴。
1787年(天明7)創業。常時約100本の木桶を用いて諸味の仕込みを行う。「日本一しょうゆ一番しぼり」はこの伝統製法で1年かけて醸造される濃口醤油で、有機素材にこだわる。
創業以来、手作りにこだわった醤油造りを続ける。吉野杉の大桶で仕込まれた醤油は石川県河北潟の国産有機大豆を使用。世界にも目を向け、2012年より本格的に輸出を開始している。
1765年(明和2) 創業。蔵人が毎日くみ3年熟成する「たまり醤油」は、コクと風味が最大の特長。
文化元年(1804)創業。看板商品のひとつ「濃厚生引きたまり」は1年間の熟成を経て、醤油のうま味である窒素量を高める。
「濃口本仕込み熟成二年」は広島県産丸大豆「アキシロメ」など厳選した原料を使用し、杉の大桶で2年間じっくり仕込まれる。
創業約150年。もろみ蔵は国の登録有形文化財に指定される。「鶴醤」は再仕込み製法を用い、2年熟成ののち、もう2年寝かせることで、深いコクとまろやかさを実現した。
自社醸造を復活させようと若手が立ち上がり、醤油業界を盛り上げている。「生成り」は40年ぶりに自社製造された初仕込みの濃口醤油で、大豆、小麦は地元産を使用。
本記事は雑誌料理王国237号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は237号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。