国際製菓コンクール「ル・モンディアル・デ・ザール・シュクレ2022」が10月にフランス・パリで開催される。日本チームは第1回大会より6大会連続で入賞しており、今回の第7回大会も、本コンクールの主催者であるフランスDGFの商品の輸入・販売元である株式会社アルカンのサポートを受け、上位入賞を目指す。
ル・モンディアル・デ・ザール・シュクレは、フランスの製菓材専門ブランド「DGF」による国別対抗の国際製菓コンクールで、16カ国から選出されたトップクラスのパティシエが腕を競い合う。
2年ごとに開催され、第7回大会は当初2020年に開催が予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2022年10月に延期となったため、今回は実に4年ぶりの開催となる。
審査員は出場する16カ国からトップパティシエが2名ずつ選出される。
日本からは国際大会の経験を豊富に持つ、「アステリスク」和泉光一氏、「グランドハイアット東京」ペストリーシェフ 金子浩氏の2名が選ばれた。
また、このコンクールはパティシエール=女性パティシエに対する評価を高めることを目的のひとつとしており、男女混合チームでの参加が義務付けられているというのも大きな特徴だ。これは、製菓コンクールの参加条件としては非常に稀有だといえる。
さらに今回より、日本でも注目されているチョコレートの祭典「サロン・ド・ショコラ・パリ」のイベント内で開催され、一般来場者の前で芸術的な作品が生まれる瞬間が披露されることになった。
日本チームは、菓子職人の育成および技術向上を目的とする団体「内海会」が主催する「第26回 内海杯技術コンクール」から選出された2人。男性は「東京製菓学校」谷藤拓さん、女性は「グランドハイアット東京」前野めぐみさんだ。
谷藤 拓 たにふじ たく
東京製菓学校 教育部洋菓子課 教員
【主な受賞歴】
2011年 ジャパンケーキショー 味と技のピエスモンテ 金賞
2016年 クープ・デュ・モンド 国内選考会 アメ細工部門 3位
2018年 内海杯 技術コンクール 優勝
前野 めぐみ まえの めぐみ
グランドハイアット東京 ペストリー所属
【主な受賞歴】
2016年 内海会味覚コンクール 銅賞
2017年 FIPGC Cake Designers World Championship 5位 部門賞
2018年 内海杯 技術コンクール 銅賞
この2人による日本チームを支えるのが、ル・モンディアル・デ・ザール・シュクレ 2022の主催者であるフランスDGFの商品の、日本の輸入・販売元である株式会社アルカンだ。彼らは、このコンクールの創設時から、若手パティシエの育成の意味を込めて日本チームの後援を行っており、第7回の今回も日本チームは彼らのバックアップを受けて、7大会連続入賞、そして2012年の第3回以来の優勝を目指す。
コンクール名 | ル・モンディアル・デ・ザール・シュクレ Le Mondial des Arts Sucrés 2022 |
開催回数 | 第7回 |
開催日程 | 2022年10月28日(金)~31日(月) |
会場 | フランス パリ ポルト・ド・ヴェルサイユ 見本市会場 「サロン・ド・ショコラ 2022」開催会場 |
主催 | モンディアル・デ・ザール・シュクレ協会(Association du Mondial Des Arts Sucrés) DGF(Distribution Gastronomie Formation) |
参加国数 | 16カ国 ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、エクアドル、アメリカ合衆国、フランス、ジョージア、インド、日本、マレーシア、モロッコ、メキシコ、台湾、ウクライナ、ベネズエラ |
本選の内容 | 20時間内での実技審査 テーマ 「感覚の源(L’Origine des sens)」 <競技で製作する作品> ① アメ細工 1点 ② チョコレート細工 1点 ③ アメ細工とチョコレート細工でできたアントルメの台 1点 ④ レストランのアシェット・デ・セール 1種 ⑤ プティフール・オ・ショコラ 3種 ⑥ タルトグラッセ 1種 ⑦ アントルメ・オ・カフ ェ 1種 |
審査の基準 | 試食(オリジナリティー、創造性、プレゼンテーション/材料の原産/味・香り・食感) 芸術性(オリジナリティー、創造性、完成度、テーマの尊重/ 製作の質、技術の難易度) 作業性(衛生、冷静さ、段取り/廃棄度/完成度、技法、チームワーク) |
賞品 | 上位3チーム に賞金ならびにメダルを授与。優勝チームにはトロフィーを授与。 この他、独創賞、敢闘賞、特別賞の賞が与えられる。 |
text:小林 乙彦(料理王国編集部) 写真提供:内海会