100年愛されるパン屋さんの話


2021年で創業100年を迎える街のパン屋が、人形町にある。約1世紀かけて生み出した惣菜パンや菓子パンは150種を越える。その斬新なアイデアは増殖を続け、お客の胃袋を掴み続ける。

いつも決まったパンを買って仕事に向かうサラリーマン。毎週火曜日に訪れてモーニングセットを楽しむおひとり様。1世紀も営業を続けているから常連も多いのだ。常連客の心を掴んで離さないのは、斬新でパンチの利いた新商品を延々と生み出し続ける得体の知れぬチカラかもしれない。


空洞にツナマヨを詰めた大ぶりのちくわがバターロールで挟まれた「ちくわドッグ」。小エビ・玉ねぎ・にんじんのかき揚げを生地にのせてから焼き上げる「かきあげパン」。カステラをクロワッサンの生地で包んで焼いた「クロワッサンケーキ」は、今年で20歳の長寿商品。スライスした食パンにコクのある自家製ピーナツクリームとこしあんを塗った「なかよしコンビ」は50年前に生まれたオリジナル商品だが、この2 ~3年で急に人気が上昇しているという。


 新商品の考案は社長の松村実さんを始めとした工房のスタッフの仕事だ。工房から生まれる新しいアイデアを試食して合格判定をするのはパートの皆さん。却下される商品も多々あるそうだが、Plan(計画)、Do(実行)、Chec(k 評価)、Actio(n 改善)が健康的に機能しているからこそ、この店は健在なのかもしれない。

サンドウィッチパーラーまつむら

東京都中央区日本橋人形町1-14-4
TEL 03-3666-3424
月~金 7:00 ~ 18:00
土 7:00 ~ 13:00
日祝休


text 中村麻矢 photo 鈴木泰介 

本記事は雑誌料理王国2020年2月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年2月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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