フランス料理のエッセンスを和食に活かした「鱸(すずき)の茶碗蒸し コンソメ餡 柚子胡椒風味」松本義夫シェフ(ノウラ)


出汁とコンソメ。
フレンチと和食の融合で生まれた上品な美味しさは、とろけるように心に染み入る温かい味。

東京・浅草で人気のフレンチビストロのシェフが今回作る魚料理はなんと、茶碗蒸し。言わずと知れた和食のメニューだ。「店の料理は素材を生かしたシンプルな料理ばかり。茶碗蒸しはそれに通じるものがある」ということで、普段は店で出していない料理を披露してくれた。まずは出汁。昆布を入れた水を中火にかけ、ふつふつとしてきたら取り出し、鰹節を入れて弱火に。2分ほどしたらペーパーなどで濾す。粗熱をとったら卵と塩を加えて混ぜ合わせ、卵液を作る。

「一人分の割合は、150㎖に卵1個、そこに0.7パーセントの塩を入れます」。通常の茶碗蒸しは1 8 0㎖に卵1個で作るが、今回は身のふっくらしたスズキに合わせるのでやや水分を少なめにしたのだそう。一人分ずつを器に盛って蓋をし、蒸し器に入れる。スズキは皮を引いて一口大に切り、塩、こしょうをふって10分ほどおく。蒸し上がった生地にスズキをのせ、再び蒸し器に。コンソメを温めて水溶き葛粉を入れ、塩抜きをした柚子胡椒を加えて餡を作る。茶碗蒸しにこの餡をかけていただく。これはもう、フランス料理でも日本料理でもない、松本シェフのオリジナル。とろとろの生地とふっくらやわらかいスズキ、そこに柚子胡椒の風味が効いた茶碗蒸し。口にすると笑みがこぼれるやさしい味わいだ。

松本 義夫シェフ

RESTAURANT DATA
東京都台東区浅草4-10-6
TEL 03-6458-1255
ランチ 11:30~15:00(13:30 LO)
ディナー 18:00~23:00(21:00 LO、休業日前日は20:00 LO) 
定休日:月曜日、火曜日
https://www.noura0815.com/

本記事は雑誌料理王国318号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は318号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


SNSでフォローする