アーリオオーリオペペロンチーノはイタリア料理の基本中の基本であり、使う材料はニンニクと赤唐辛子とオリーブオイルのみというシンプルさ。だからこそ決してごまかしがきかず、基本をしっかり押さえた丁寧な仕事をしているかどうかがおいしさの分かれ道となる。
その最大のポイントは、オリーブオイルに香りと辛味を移し、ソースを乳化させること。油とゆで汁をしっかり混ぜ合わせ、とろみのある状態にもっていく。乳化というテクニックを用いることで、ソースをまとったパスタの表面はギトギトした油ではなく、なめらかなツヤのある仕上がりとなる。
「イタリア人はニンニクをたくさん使うけれど、食べるのが好きなわけじゃなくて、むしろほとんど食べない。味ではなくコクと香りを楽しむものだから」
その代表的な一例が、アーリオオーリオ。オリーブオイルとニンニクを火にかけ、オイルが沸騰した後は火を弱めてニンニクの香りをじっくり移していく。これがニンニクオイル。さらにペペロンチーノでは、ニンニクオイルに赤唐辛子の辛味を移す。
「日本人はニンニク好きな人が多いから、一度取り出してから盛り付けで使ってもいいよね。食べても食べなくてもね」
おいしさを形成しているのは、ニンニクの香りと赤唐辛子の辛味だけではなく、しっかり乳化させたソースがスパゲティに絡んでいるから。風味付けと彩りのイタリアンパセリも食欲をそそる。
ニンニク 3かけ
ニンニク 3かけ
エクストラヴァージンオリーブオイル 50cc
パスタの材料(1人分)
スパゲティ(1.4mm) 70g
イタリアンパセリ 適量
1.フライパンにオリーブオイルと潰したニンニクを入れて、常温のまま火にかける。火は強火で。
2.フライパンを傾けて油を集め、ニンニクを浮かせて焦げ防止に。油が沸騰したら火を弱め、ニンニクにすっと串が通るまで火を通して油に香りを移す。
3.一度火を止め、種を取り除いて粗く刻んだ赤唐辛子を加える。弱火で静かにフライパンをゆすり、20 秒ほどかけて赤唐辛子の辛味を油に移す。
4 .ゆで汁をフライパンに大さじ3 ~ 4 杯加え、フライパンをゆすってオイルとなじませる。トロリとしてきたらイタリアンパセリのみじん切りを加える。
5.ゆで上がったスパゲティを加え、弱火のまま乳化したソースを全体に行き渡らせるように和える。
6.フライパンの底にソースが見えなくなったら、パスタによく絡んでいる証拠。手早く皿に盛り付けて完成。
本記事は雑誌料理王国第288号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第288号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。