「ラ ベットラ ダ オチアイ」落合務シェフに学ぶ基本のパスタソース#5「パンナ・パルミジャーノ」


生ハムで香りを付けて煮詰める

 フレッシュクリームは脂肪分パーセントのものを使い、しっかり煮詰めていくのが落合さんのクリームソース。「家庭で作るなら、脂肪分パーセントのフレッシュクリームを2/3、牛乳を1/3の割合で混ぜて使うと失敗なく作れますよ」と教えてくれた。

生ハムは具材としてではなく、ソースの香り付けに使う

 クリームソースのパスタには、「生ハムとマッシュルーム」、「スモークサーモンとホウレンソウ」などのバリエーションがあるが、生ハムやサーモンは具材として入れるのではなく、ソースの香り付けとして使うものと考え、しっかり香りを引き出すのがポイントなのだという。生ハムの場合は、薄切りを粗めに刻んで香りを出しやすくし、焦がさないようにじっくり炒めながら油に香りを移す。

「黒く焦げたトーストよりも、ほどよく焼けたトーストがおいしいでしょう?それと同じだね」と落合さん。

 生ハムでしっかり香りを付けて味のベースにしつつ、さらにクリームソースと相性のよいバターを加えてコクを出し、仕上げにたっぷりのパルミジャーノ・レジャーノを溶かし込む。「クリームソースは味がぼんやりしていると、食べていて飽きてしまう。だから煮詰めてソース全体を濃縮させながら、味をきちんと付けていくことが重要なんですよ」

スパゲティ アーリオ オーリオ ペペロンチーノ

おいしさを形成しているのは、ニンニクの香りと赤唐辛子の辛味だけではなく、しっかり乳化させたソースがスパゲティに絡んでいるから。風味付けと彩りのイタリアンパセリも食欲をそそる。

材料 (1名分)

フィットチーネ 70g
エクストラヴァージンオリーブオイル 小さじ2
無塩バター 10g程度
塩 ひとつまみ
パルミジャーノ・レジャーノ 8~10g程度
生ハム 20g
フレッシュクリーム(30%) 100~110cc
マッシュルーム 6個
ピゼリ(グリーンピース) 適量

パンナの作り方

1.フライパンにエクストラヴァージンオリーブオイルとバター 5g を入れ、火にかけてバターを溶かす。

2.フライパンが熱くなる前に、粗めのみじん切りにした生ハムを加える。焦がさないよう気をつけながらじっくり炒める。

3.生ハムの香りを十分引き出すまで炒めたら、厚めにスライスしたマッシュルームを加えてさらに炒める。

4 .マッシュルームにも火が通り質感が変わったら、フレッシュクリームを一気に加えて煮詰める。

5.全体の量が 3/4 になるまで煮詰めたら、塩を加えて味を整える。一度火を止め、ピゼリを加えてよく和え、さらにゆで上がったフィットチーネを加えて和える。

6.再び火にかけて、すりおろしたパルミジャーノ・レジャーノ、バター 5g を加えて溶かしながら全体をサッと和えて完成。


本記事は雑誌料理王国第288号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第288号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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