住宅街にあって、平日のランチから人があふれる人気店。16年前に開店した当時からナポリ職人が作る本物のナポリピッツァにこだわり、日本で2番め、関東では最初に「真のナポリピッツァ協会認定店」となった。薪窯の前に立つのは、14歳からピッツァを作り続ける若きピッツァイオーロ、シモーネ・サルナッキアロさんだ。「ピッツァは子どもの頃からいつもそばにあるもの。僕の仕事はこれしかないし、一日一日を大切に情熱を注ぐだけ」。永福町の老舗酒店「ヤマザキヤ」がオーナーということもあり、ワインの揃えも確か。ピッツァ以外にもウサギのイスキア風やリコッタチーズのフリットなどナポリの郷土料理も充実させ、ファンの期待に応え続ける。
ラ・ピッコラ・ターヴォラ
東京都杉並区永福町4-2-4
03-6435-2080
小林薫=取材、文 伏木博=撮影
「ピッツェリアポジターノ」のオーナーでピッツァイオーロの佐久間啓さんは、日本ナポリピッツァ職人世界選手権大会で入賞する実力派だ。しかし開業したのは名店ひしめく東京でなく、地元の成田だった。「成田山新勝寺の行事などで参道はいつも人通りが多く、外国人の方もいらっしゃいます。その方たちに気軽に使ってもらえる店にしたかったんです」と佐久間さん。ポジターノのピッツァ生地は180グラム、直径26センチと小さい。「ナポリピッツァなら200グラムはないと、と言われることもありますが、成田で食べてもらうなら小さめがちょうどいい」。形や大きさにこだわらず、おいしく食べて欲しい。そんな思いやりが、ポジターノに人を呼ぶ。
ピッツェリア ポジターノ
千葉県成田市花崎町533
0476-24-1727
CUISINE KINGDOM=取材、文 星野泰孝=撮影
ミラノに長年住んでいた西正博さんが、東京・松濤に揚げピザ「パンツェロッティ」専門のレストランを開いたのは2012年。ミラノでは2014年に専門店ができはじめたというから、かなりの先見の明があったと言える。「日本で揚げピッツァを提供しているところがどこにもなかったので、自由にできると思ったのです」。かつ、「インテリアも無理に郷土料理風にするのではなく、センスよく居心地良い店にしたかった」と語る西さん。パンツェロッティを主役にしたお洒落なレストランは前代未聞で、ミラノの新聞社も記事にしたいと取材に来るほど。「イタリアのものだからこうあるべき」という縛りよりも、自分らしさを貫く精神が〝吉”と出た好例だ。
パンツェロッテリア
東京都渋谷区松濤2-14-12シャンボール松濤1F
080-2675-7216
横田典子=取材、文 星野泰孝=撮影
本記事は雑誌料理王国第246号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第246号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。