異国情緒を取り込みモダンに表現する「レイノー」


【レイノー】

初代の美意識を受け継ぎつつ、異国情緒も取り込んでモダンに表現

世界の美を探求してきた初代の美意識を受け継ぎ、伝統に則った革新を追求し続ける、リモージュの名窯。基本となる職人技を大切にしながらも、フランスの古典的な柄からスペイン、インド、中国、パナマなど、様々な国にインスパイアされた美をモダンに表現する。

レイノーは、1911年、当時「白い金」と呼ばれるほどに貴重だった磁器を世界を渡り歩いて富裕層に販売してきた、マーシャル・レイノー氏がリモージュに19世紀後半から続く窯を買い取り自分の工房を作ったことに始まる。ヨーロッパとロシアでの成功を受けて、1919年にはリモージュの工場を購入した。

レイノーはこれまでに、ジャン・コクトー、ロジェ・タロン、サルバドール・ダリなど
の著名アーティストたちとのコラボレーションも行なっている。


19世紀後半、若干20歳で世界を旅したマーシャル氏は7つの言語を話した。
その旅を通して世界中の美しいものを見て培った美意識と好奇心は、今もレイノーのものづくり哲学の根幹をなす。2代目のアンドレ氏は、古い磁器を収集しては、そのパターンの再解釈を行い、伝統に則った革新を追求してきた。型やハンドル付けの作業は人の手によるもので、特にプレステージ・コレクションには手作業の工程が多く含まれている。

レイノーの魅力について、シンガポールの「レザミ」でシェフを務めるレペノワ氏は「食
器選びにおいて大切なのは、自分の料理と同じ哲学を持っているか。『テーブルの上のアート』
という自分の考えにぴったりと合うのが、このアンバサドール・コレクションだ」と話す。

アンバサドール・コレクションを愛用する、シンガポールのミシュラン三つ星フレンチ「レザミ」のシェフ、セバスチャン・レぺノワ氏は「純金や純プラチナを使った手作業での象嵌が素晴らしい。最上級の本物の素材を使い、職人技が生きたシリーズで、同じく最上の食材を精密な手仕事で料理という形にする、自分のスタイルとマッチする」とその魅力を語る。フランスの伝統美を追求しつつも、その原点にある世界の美への探究心も花開いている。3代目バードトラン氏がヴィヴィアン・ウエストウッド氏に師事したパラグアイ出身のマリエラ・シュワルツ・モンティエル氏と結婚し、彼女が2012年からアートディレクターとしてデザインを担当。南米の大地を思わせる温かみのある色合い、生き生きとした植物モチーフを取り入れたエキゾティックなシリーズ「トレゾーフルール (花の宝)」は、伝統に鮮やかな新風を吹き込んでいる

SHOP DATA

エルキューイ・レイノー青山店
東京都港区北青山3-6-20 KFIビル2F
TEL 03-3797-0911
https://housefoods.jp/shopping/ercuis-raynaud/

本記事は雑誌料理王国322号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は322号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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