米麺マイスターへの道!米麺図鑑


現地では生麺が主流だというが、日本で手に入る米麺は乾麺がほとんど。ここでは、日本で入手しやすいベトナムとタイの主な米麺と、現地での調理方法を紹介する。料理に合わせて米麺を選べるようになれば、あなたも立派な米麺マスター!

米麺図鑑

ベトナム

南北に長いベトナムは、地方により使用する麺も変わる。フォーは全土で食べられるが、ブンはハノイなど南部でよく食べられる。

フォー pho

やや太めの平打ち麺で、主に汁麺や炒め麺に使われる。南部ではハーブをたっぷり使った甘辛い味付けものが多く、中部は辛い味付け、北部ではあっさりとしたスープの中に揚げた油条(ヨウティャオ)などを入れて食す。ベトナムでは、家庭よりも専門店で食べることが多い。

ブン bun

ベトナム全土で食べられている米麺。屋台や家庭等で使用されている。汁麺、つけ麺、和え麺、炒め麺はもちろん、鍋の締めとして食べたり、生春巻きの具にしたり、さまざまな調理に使える万能選手。ごはんのようにおかずとともに食べることもある。

タイ

タイ語で「クイティアオ」といわれる米麺は、主に屋台や食堂などで食される。また、麺の太さにより以下の3つに分けられている。

センヤイ senyai

タイ語で、セン=線、ヤイ=大きいの意。幅が1~ 2cmある太麺で、生地を蒸してから、麺状に裁断したもの。つるりとした喉越し、モチモチとした食感が楽しめる。汁麺で食べることもあるが、炒め麺やあんかけ麺ラートナーとして食すことが多いそう。

センレック senrek

タイ語で、セン=線、ヤイ=小さいの意。幅が5㎜ほどの麺で、生地を蒸してから半乾燥させ、麺状に裁断したもの。主に汁麺や炒め麺、汁なし麺に使用する。タイを代表する米麺を使った炒め麺「パッタイ」は、このセンレックを使用することが多い。

センミー senmi

タイ語で、セン=線、ミー=麺の意。捏ねた生地を絞り出し、一度ゆでてから乾燥させたもの。日本でいうところのビーフンと同じで、コシがありつつも、つるつるとした喉越しが楽しめる。汁麺、炒め麺、揚げ麺などに使用することが多い。屋台でもっとも食されている米麺。

失敗しない米麺のもどし方

難しいと思われがちな米麺のもどし方だが、コツさえ押さえれば初心者でも失敗はしないという。ポイントは、水もしくはぬるま湯で時間をかけてじっくりもどすこと。高温の湯で一気にもどすと、米麺の風味が抜けてしまい、ベタベタしてしまう。また、食べる前にもう一度ゆでることで、麺の硬さを調整しよう。

ブン&フォー

1.バットなどに米麺を入れ、35~38℃のぬるま湯を米麺がかぶるまで注ぐ。20~30分間このままおく。
2.もどり具合をチェックする。両手で米麺を曲げて、しんなり曲がるようならOK。
3.ザルにあけ、水気を切る。
4.すぐ使わない場合は、ビニール袋などに1食分ずつ小分けにし冷蔵庫で保存する。
●実際に調理に使う時は、沸騰した湯で、フォーは5~10秒間、ブンは芯がなくなりやわらかくなるまで再度熱を通すこと。この時点で米麺が固いようであれば、ここで好きな固さに調整する。

センヤイ&センティック

1.バットなどに米麺を入れ、米麺が浸るくらいの湯を注ぐ。湯は、沸騰してひと息おいたものがよい。
2.蓋をして20分間おく。炒め麺の場合は、ザルにあけすぐに炒める。汁麺の場合は、ぬるま湯でさらに10秒間ほどゆでる。

センミー

バットなどに米麺を入れ、米麺が浸るくらいのぬるま湯を注ぐ。10分間ほどおき、ザルにあける。調理する前に熱湯で10秒間ほどゆでる。

風間里実・文/構成 三木匡宏・写真

本記事は雑誌料理王国2012年4月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2012年4月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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