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フランス生まれの【SAKE】にガストロノミーレストランが期待していること。


2017年春、フランスはローヌ・アルプ地方に、フランス初の酒蔵が産声を上げた。日本での旅行中、日本酒に魅せられたグレゴワール・ブッフ氏が率いる「昇涙しょうるい酒造」は、4期目を迎え、フランスのガストロノミーシーンから選ばれる酒を造っている。

オーセンティックな食中酒がフランスの食のプロを魅了。

―― コロナ禍にもかかわらず、2019年に比べて2020年は売上が40%増と好調のようですね。

私たちの顧客の60%がレストラン、30%がワインショップ、残りがネット販売による個人客です。フランスにおけるSAKEは、まだ「売るためのアドバイス」を必要としている状況なので、飲食のプロたちが臆することなくお客様に日本酒について語れるよう、時間を惜しまず啓蒙に勤しんでいます。

―― オンリストされているピックやミラズールのようなトップレストランが昇涙酒造を知ったのも、そのような流れだったのでしょうか?

ソムリエはSAKEを導入することで、ワインではなし得なかったフードペアリングを実現させようとしています。また、私たちが、フランスの蔵としてガストロノミーのテーブルシーンにあうSAKEを造っていると評判になり、自然とそうしたレストランからの注目度が高まっています。酒蔵創立当初から、昇涙酒造はフランスのガストロノミーに寄り添うことができる、オーセンティックなSAKEを造るという役割を選択しました。だからアロマティックなSAKEは造らないし、ワインに寄せた造りもしません。私たちのこうしたアプローチが、多くのシェフやソムリエの興味を引いていると思います。

―― つまりガストロノミーレストランで、食中酒として楽しまれる酒を造っている、と。

淡麗辛口ではなく、芳醇で余韻が長く、奥行きがある味わい。アミノ酸も必要ですが、多くてもだめ。酸と甘みの優れたバランスが必要です。これまでで一番完成度が高いのは18BYの「風」。広がりのある味わいで、余韻も長く、適度なテンションがある。ガストロノミーレストランでの採用率も高いですね。

次ページ:フランス人のソムリエがSAKEに期待していること。昇涙酒造のSAKE4種。


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