フランス生まれの【SAKE】にガストロノミーレストランが期待していること。


ワイン雑誌でも日本酒の記事が増加中。フランス人ソムリエたちは、その可能性に気付き始めている。

―― フランス人のソムリエはSAKEに何を期待しているのでしょう?

フランス人ソムリエは、SAKEはワインが苦手な食材や料理、たとえば、アスパラガス、卵、キノコ、野菜特に根菜、ブイヨン、ある種のチーズなどとの相性がよく、ワインの守備範囲をはるかに越えていることにようやく気付き始めています。最近、「Revue de vin de France」(フランスのワイン雑誌の草分け)でも、毎号といってよいほど日本酒関連の記事が掲載されています。フランス料理にはしっかり発酵させ、熟成にも向いた山廃や生酛が合うので、流れはこちらに来ていると感じます。食中酒としてSAKEの出番が増えること、それが長い目で見て、日本酒をフランスに定着させる一番の近道だと思います。

昇涙酒造の蔵があるフランス中部の小さな町ペリュサン。コート・ロティ、コンドリューなど銘醸ワインを産出するヴァレ・デュ・ローヌのぶどう畑に囲まれている。蔵で使用するのはペリュサンの水道水。中央山地の花崗岩によってほどよく濾過され、日本酒の仕込みには適度な硬度に整っているという。
La Vague 浪

La Vague 浪
純米 玉栄70%
芳醇で力強い味わい。森の下草やきのこの香り。卵、チーズ、きのこ、白身の肉と。お燗で。

Le Tonnere 雷

Le Tonnere 雷
純米 玉栄80%
しっかりとした酸と力強いボディ。熟成白ワインを思わせる風格。肉料理と。お燗で。

LʼAube 暁

LʼAube 暁
純米 山田錦70%
バランスに優れた多面的な味わい。カカオを思わす長い余韻。魚やスパイシーな料理と。冷酒で。

Le Vent 風

Le Vent 風
純米吟醸 山田錦 50%
フルーティーでエレガントな味わい。ドライフルーツの甘い香り。冷酒でアペリティフに。

昇涙酒造 蔵元 グレゴワール・ブッフ 1982年フランス・アヌシー生まれ。料理人、バーテンダーを経て鳥取県梅津酒造にて酒造りを学び、2017年昇涙酒造を設立。

昇涙酒造 蔵元
グレゴワール・ブッフ

1982年フランス・アヌシー生まれ。
料理人、バーテンダーを経て鳥取県梅津酒造にて酒造りを学び、2017年昇涙酒造を設立。

杜氏 田中光平 1989年山口県生まれ。招徳酒造で1年、花垣酒造で9年働いた後、2016年に渡仏。昇涙酒造で蔵人となり、2018年冬から杜氏を務める。

杜氏 田中光平
1989年山口県生まれ。
招徳酒造で1年、花垣酒造で9年働いた後、2016年に渡仏。昇涙酒造で蔵人となり、2018年冬から杜氏を務める。

Les larmes du levant 昇涙酒造
4 Rue du Regrillon,42410 Pélussin, France
Tel: +33 6 58 80 22 60
http://www.larmesdulevant.com

酒のはしもと(日本輸入販売元)
千葉県船橋市習志野台4-7-11
Tel 047-466-5732

text 勅使河原加奈子 構成 浅井直子

本記事は雑誌料理王国314号(2021年2月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は314号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは、現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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