選りすぐりの信州の天然キノコを、おススメの調理法とともに紹介する。キノコシーズンは、まだまだ終わらない!
全国的に人気のキノコ。キノコ狩りのメーンターゲットにしている人も多い。うどん、蕎麦、鍋などこっくりとした出汁の味が魅力だが、ソテーやフリットなど油との相性も悪くない。ピクルス、マリネもおススメ。
香茸「コウタケ」の名の通り、特筆すべきはこのキノコの香り。乾燥保存で香りが増す。香りを活かしたスープやピューレとして添えたりなど、洋食でも需要が急増している。炊きこみご飯や佃煮、天ぷら等もおススメだ。
見つけたときはその存在感に驚くシェフの多いキノコ。香りも豊かだ。傘と軸は食感がまるで違うので使い分けると良い。傘の"トロッシコ"は他には無い。ポルチーニ、セップの仲間である。
最近は栽培物が流通し存在が薄い?! キノコだ。天然ものが流通することは稀だが、食べたことがあるひとならこの旨さは全くの別物であるということがわかるだろう。どんな料理でもその存在感を発揮するA5ランクのキノコだ。
フランスでは「トランペット・デ・モール」と呼ばれメジャーなキノコ。国内では人気急上昇中。新鮮なものは薫り高く、卵との相性が良いので試してみる価値あり。ピューレにすると風格のある味わいで、鳩、鴫、鶉などと合わせたい。
ほんのり松茸のような針葉樹の香り、そして繊細でしっかりとした密度の軸の食感は松茸を凌駕する。収穫量も少なくとても希少な名菌だ。天ぷら、土瓶蒸し、網焼きなど和食に向いているが、洋食でも新しい料理に挑戦できるキノコである。
ホンシメジにも似たボリューム感がある。少し苦みがあるが、ゆでこぼすことで簡単に抜ける。和食では苦みを抜いて料理することが多いが、洋食ではこれを活かしているシェフもいるという。歯切れが良く使いやすいキノコだ。
北関東では熱狂的な人気のキノコ。確かに蕎麦屋のお品書きにしっかり載っている。ボソボソとした食感ですが味わい深く素晴らしい出汁が出る。和食であれば鴨などと合わせたつみれは絶品だ。
傘の直径がゆうに30㎝を超える。優しい針葉樹の香りとしまった肉質は魚類との相性が抜群。天ぷら、炊き込みご飯、汁ものや薄くスライスしたものでしゃぶしゃぶ、スライスしたものを、縦に太さを揃え、パスタのように楽しむのも面白い。
収穫量が著しく少なくお目にかかることのないキノコだが、味は素晴らしい。傘の滑らかな舌触りと、軸の歯切れの良さは他のキノコにはない。油に合うのでソテーがおススメだが、良質なものはスープやリゾットなどで楽しみたい。
ゼラチン質のため冷めにくいので喉を火傷する?!ともいわれる。クセがなく使いやすいキノコだ。雪の季節の鉛色のムキタケは虫も少なく身も締まり、特におススメ。表面の皮を剥くと美しい白色で繊細な料理を表現できる。
オーボリ、オロンジョ(ジュ)と言えば洋食のシェフ垂涎のキノコで、欧州ではセップ、ポルチーニより価値があるといわれる。天然もので生食のできる数少ないキノコのひとつで、鮮やかな朱色を活かした料理を目指したい。
大きいものは3㎏を超える。クセのない使いやすいキノコで魅力はそのコリッとした食感。和洋中どんな料理にも合う。最近では薬効も認められ今後は薬膳の食材としても注目は高まっている。
非常にもろいことがネックだが、美しさ、香り、味わい、どれを取っても超一級のキノコ。和食で使いやすいキノコで、汁、蒸し、揚げ、焼きと万能だ。特に炊き込みご飯は松茸にも劣らず。今後は洋食でも挑戦して欲しい名菌。
国内は勿論、欧州でも栽培が盛んなキノコだ。注目すべきはカンタケと呼ばれる冬のヒラタケ。表面は黒く身は締まり大きいものは大人の頭より大きくなる。この味の良さは既存のヒラタケ料理をしている人なら、なおさら驚きを隠せないはずだ。
西洋の「セップタケ」の仲間。本場に比べて遜色なく洋食ではとても使いやすいキノコだ。最近では和食でも使われ始め、天ぷらもおススメ。試しにこのキノコで作ったすき焼きは、味わい、舌触りともに驚きの旨さだった。
中国の市場で大量に並んでいる映像を見た読者もいるだろう。傘の直径が30㎝、軸の長さが40㎝を超えるものもある大きいキノコだが、収穫量は極僅か。料理したことのあるシェフももちろん、わずかといえよう。
栽培物や原木など、流通量が多く手に入りやすいので使っている人も多いキノコ。食感だけであれば天然、栽培遜色ないが、その風味と滑り、そしてコクは比較にならない。ソテーや網焼きなどシンプルな料理に挑戦すべきキノコである。
写真提供:永田徹
本記事は雑誌料理王国第269号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第269号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。